夫は真顔だった。
子のよだれが出まくりで体の水分量がとっても心配になるレベルだ。
きっとうまいことできてるんだろうけど、こんなになんの抵抗もなく垂れ流しにできるのはこの時期だけだろうし、
周りがむしろ喜んで拭いてくれるのもこの時期だけなんだろうなと思った。
春の嵐で窓全体を濡らす雨風が半日以上続いた。
子がいるのを考えて外出は諦めた。夫にも久しぶりの休日をくつろいでもらいたかったので、そっとしておいた。
PCを起動し、SAIを開く。
SAIとペンタブは、わたしが27歳のバースデーのときに妹からプレゼントされたものだ。
せっかくもらったのだからと、腐女子の彼女へ捧げた18禁PCゲームの推しキャラと、ブーメランパンツのカーズ様(JOJO)のイラストをわりと本気で描いた。
それをプレゼントしたときの妹の喜びっぷりはなかなか嬉しかった。
それ以来一切SAIで絵を描くことはなく、存在すらも忘れてしまい、何かのきっかけで夫にSAIを開かれたときに見られてしまうといううっかりアクシデンツがあった。
夫は真顔だった。
イラストをつらつらと描く。
pixivなど見ていて思うのだが、ソフトは違うにしてもなぜみなさんあんなにデジタルで思いのままに描けるのか。
あんな綺麗な線がシャッと引けるのか(まずそこからだ)。
みなさん化け物なのか。
レイヤーってなに。アンチエイリアスってなに。投げ輪ツールってなに。
この平成最後の世代にもなると、きっとアナログでイラスト作品描いたことないってひともゴロゴロいるんだろうなぁ。
デジタルで上手く描けるコツはなんだろう。
と、幼い頃に「漫画の描き方」キットを買ってもらって一週間で飽きたわたしが言う。
わかった、センスと根性だ。
子の服が徐々にサイズアウトしてきたので整理していたら、いただきものの靴下が見つかった。
今まで買っていなかったことにも反省だが、10月に生まれ、立春も過ぎたこの時期に。
すまない靴下。あと数ヶ月がんばってくれ。
夫が伸びきってしまった髪を切りに出かけ、帰りにLAWSONのウチカフェチョコミントアイスを3本買ってきてくれた。
ありがとう!ととびきりの愛でもってお礼を伝えたが、
夫はやはり真顔だった。
録画しておいた、欽ちゃんの仮装大賞を観る。
96回とは驚きだ。
あれは作品のクオリティを観るものではなく、全体のお祭り的な雰囲気と、ハイスペックな欽ちゃんのトークスキルを観るためのものだと思っていたが、やたらと審査員の厳しさが前面に押し出されていてもやっとする。
天気のせいかもしれないが。
お風呂に入るまえに、夫からチョコミントアイスと茶を渡された。
湯船でくつろげということらしい。
生まれてこのかた、コタツでアイスを食べたことはごまんとあるが、湯船で食べたことは一度もなかった。
あまりの贅沢さに身震いする。
寒くもないのに身震い。すなわち贅沢!
10歳の頃のわたしに会って伝えたい。
23年後、あなたは湯船でうっとりチョコミントアイスを食べているよ、と。
きっと、嫉妬深いわたしのことだから、即ブン殴られるに違いない。
【記事を書かせていただいてます】
【日常あれこれ】
SAIってるね#illustration #sai #cat #ねこ
アイヌの子守唄ええな…。
— chirolpakutiaji (@chirol1660) 2019年2月3日