ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

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オベリスクだねと笑いあう

次の日、夫は珍しく二日酔いでグロッキーだった。

日本酒を飲みすぎたとのことで、かなり酩酊状態だったらしい。

酒には強いはずだが、量と飲み方だったのだろう。

「ノドカワイタ…ノド…」と言っていたので、ペットボトルの水を渡す。

水分が失われすぎて唇がクレイアートのようになっていた。

夫はベッドに寝たまま飲もうとしていたが、猫にぴったりと身体にくっつかれて妨害されていた。

 

Twitterでフォローさせていただいている方と、ポッキンアイスの話題になった。

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あくまでポッキンアイスはわたしに馴染みのある呼び名だが、その方は「ボンボン」とおっしゃっていた。

地方によってやはり呼称は違うらしい。

氷菓子パンちゃん」のように、商品名がそのまま呼称になっているパターンもあるようだが、「チューチュー」や「チューペット」などあだ名のようなものはより生活感があるというか、風俗的なものを感じる。

「ポキニコ」に関しては、主人公が生まれた村で、幼い頃からヤンチャを共にしてきた幼馴染の名前だとしか思えない。

たぶん眉毛が濃くて髪はボサボサで、前歯が1本抜けててガハハと笑う。

お調子者だが村のみんなから好かれ、ゆくゆくは美人と結婚して周りから羨ましがられ、子どもを5人ほどもうけるのだ。

ちなみに夫曰く、正式名称は「ポリエチレン詰め清涼飲料」とのことだ。

一気に美味しさが半減してしまいそうな響きである。

 

今日は天気も良いしお出掛けをしよう、と決めてはいたのだが、お互いのんびりしすぎたのと、わたしも段取りが悪かったりで時間がズレにズレてしまった。

子どもと一緒に外出するのは決して苦ではないが、やはり自分の動きにプラスされるものなので、これまでとは当然行動数も増えるし先を読まなければいけない場面が多く出てくる。

皮肉ではないが、夫と足並みを自然と揃えるのは難しい、というか不可能に近い。

無理することなくお互いにタイミングがあったときに、一緒にできることをやるようにしようと考えた。

こうして夫婦間でズレが生まれて、それで人は悩むのだろう。

しかしわたしはかえって、週末に照準をあわせた動きを考えるのでワクワクしていた。

サボることが多いけど、ルーティーン的な動きは好きなのだ。

綺麗にハマると嬉しくなる。

そういえば以前夫に、単純作業向けだと言われた気がする。やや複雑ではあるが。

 

夫は気合いを入れるため、限りなく洗剤に近いブルーのエナジードリンクを青空吹き抜けるベランダで飲んでいた。

もはや身体にいい飲み物のような気がしてくる。

隣の家では、80歳のおじいちゃんが屋根に登り昼寝をしていた。

ここは山だから、ひとじゃないかもしれない。

 

やっと外に出ることになり、夫の友人夫妻からいただいた唐草模様のスタイを子にセットした。

ピンクのふわふわの服を完全無視した、子だぬきスタイルである。

かわいいを通り越して笑いが出た。

同時に夫の友人夫妻のお子さんはおしゃぶりデビューだという。

送られてきた動画を観て悶絶する。

箸が転げてもおかしい並に、おしゃぶりが数ミリ動くだけでも目尻が下がる。

深刻なKAWAIIのインフレーションが起き続けている。どうにかなってしまいそうだ。

 

買い物を済ませ、ようやく左石駅のたこ焼きにありつくことができ、490kcalのチョコミントアイスを食べた。

ちなみにアイスは冷たいし体温を下げてしまうため、身体が頑張って体温を上げてカロリーを消費してくれるから実質0kcalだ。

帰りにスーパーに寄って、何故かチョコミントアイスを箱買いした。

追いチョコミントだ。

冷凍庫はアイスでパンパンになった。

 

夜はお誘いいただいた「佐世保子ども劇場」の定例会に子と行った。

子ども向けの狂言の公演が行われていたのだが、狂言初心者にとっても楽しめる内容だった。

舞台を360度ぐるりと取り囲む客席は、演者たちをさまざまな角度から観られるだけでなく、笑いや反応がサラウンドで起こる。

向こう側に座るひとの笑い顔も見える。「どっ」と沸く感覚を、聴覚と視覚両方で味わえるのだ。

子もケタケタ笑っていて、親のわたしが一番驚いた。

連れてきてよかったと思った。

 

家に帰り、公演の感想を夫と話しながら録画していた番組を消化する。

イランの首都テヘランのドキュメンタリーで、かなりグイグイ引き込まれる危ういディープな作りだった。

 

夫は最近変えたばかりのiPhone 8をいじっている。

計測アプリや楽器演奏アプリで遊んでいた。

子がやや泣いたので、その声を録音してピアノに反映させたらなかなか面白かった。

それを子に弾かせたらギャン泣きしてしまい、泣き声がダブルに響く地獄絵図のようになってしまった。

 

子をなだめ、夫を風呂へ促し、みんな揃ってから再びテレビを観る。

パリに建てられていた尖塔が映るやいなや、「オベリスクだね」と2人揃って声が出た。

こういう瞬間はけっこう嬉しい。

 

夫は寝るときに、ベッドの真ん中にドン座っている猫の脇で「どこに寝ようかな…どこに寝ようかな…」ともぞもぞしていた。

 

 

【記事を書かせていただきました】

PKやまもと | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】

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こちらに子と行ってきた!子がケタケタ笑っていたのでわたしも嬉しかったです。ステキでしたよ狂言。#佐世保子ども劇場 #アルカスsasebo