ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

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目覚めし、インカ帝国

離乳食の時間が毎日の楽しみだ。

10倍粥にはじまり、野菜を追加するようになったのだが、徐々にもどすことなく飲み込む量も増えてきた。

たぶん子の食欲はまあまあある方だと思う。

両親に似るとすれば食い意地はきっとあるほうだ。

食べさせるものの種類が増えると、当然好き嫌いもわかるようになる。

今のところのお気に入りは、キユーピーの5ヶ月乳児向けの、かぼちゃとさつまいもだ。

素材の、やや繊維質な感じを残すなめらかなオレンジ色のペーストは、大人のわたしが食べても美味しい。

見本として目の前で食べてみるが、1回だけでなく2回3回とその回数がつい増えてしまう。

ついでに言うと、三川内焼のスプーンは口当たりがよく、離乳食なのになんだか高級なものを食べている気がする。

スプーンを子の口の前に運ぶと、かぷっと口に含みむぐむぐと咀嚼してから、もっともっとと口を開けて前に乗り出してくる。

すごい。粥のときと反応が全く違う。

やっぱい甘いものには惹かれてしまうのか。

やや多めに用意していた量をすべて平らげ、げっぷをさせてソファに座らせる。

まだ腰が座っていないので、両側をクッションで固めて安定させると、子がエヘヘと笑った。

口がゆるむと同時によだれがテペペと出る。

軽くトントンと拭いて、自分の昼食をとりつつテレビを点け電脳コイルを流した。

テレビへの興味はあるようで、わたしの目と交互にチラチラ見て楽しんでいた。

わたしは食事を終え、お出掛けをしようかとなんとなく準備をし始めた。

あちこち動きながらも、ずっと子を同じ姿勢で置いておかないように、たびたびポジションを変えてやる。

座った姿勢から寝かせてあげようと、この両脇を抱えたとき、うんちのにおいがした。

食後だからか〜と思い服を脱がせると、なんと綺麗な360°のうんちの腹巻きが出来上がっていた。

おそらく座っていておむつが圧迫されていたからだろう。

それにしてもこんな爆発の跡みたいになるものなのか。

かすかなおならの音はしたけれど、おむつの中ではこんな大惨事が起きていたのか。

水面下で大きな事件が起こっているさまを、「まるで、おむつの中のうんち爆発のようだね!」と例えることはできないだろうか。無理か。

 

あまりのブツの多さにおしりふきが間に合わない。

ソファやクッションに付着してしまうという二次災害を回避するため、そのまま子を浴室に運び服を脱がせる。

脱がせた服は手早く桶に洗剤とともにぶち込みお湯を注ぐ。

一方ではシャワーで子の身体を洗う。

「お風呂にはまだ早いですよ、母」と眉間にしわを寄せていたが、温かいお湯に浸かるうちのほほんとした表情になってきた。

うんちまみれのくせにかわいい。

子を風呂からあげて服を着せ、ソファに寝かせてゆっくりさせてから汚れた服の洗濯にとりかかる。

そのあと湯船と浴室をしっかり洗ってからようやく完了だ。

カララと窓を開けてすこし換気をしてから、ふぅと一息つく。

流しっぱなしにしていた電脳コイルは、いよいよ佳境を迎えていた。

良い話だったので涙が出た。

子の方を見やると、出すものを出して身体もあったまってスッキリしたのか、すやすやと眠りに入っていた。

よし、今日は家にいよう、とおもった。

 

そのあとつい子とともに寝入ってしまい、起きると夕方のミルクの時間だった。

うわ〜、今日なにもしてねぇ、とがっくりきたが、気持ち的にはなんだかすこし軽くなっていた。

子にミルクを飲ませて、部屋の片付けをし、お義母さんの部屋へ向かう。

 

しばらく放置していたイモ「インカのめざめ」から芽が吹き出まくっていた。

入っていた袋を覗き込むが、あまりの禍々しさに思わず目を背ける。

お義母さんは「まさかこんな目覚め方をするなんて…」と言っていた。

インカ帝国の強大な力におののくトレジャーハンターのようなコメントだ。

早く使わなければ、芋の養分がこの禍々しい芽に吸い取られてしまうだろう。

このまま庭に埋めてもいいぐらいだけど、もう料理するのしんどいから使うのは明日にしましょ、ということになった。

とりあえずわたしは、夫が昨日つくった回鍋肉の残りに野菜を足して炒めものにした。

キャベツ、玉ねぎ、しめじ、にんじんとフライパンいっぱいになるほど入れたが、回鍋肉ソースの味がやや濃かったので、それだけでしっかり味がついて美味しかった。

わたしはただ焼いただけなので、これは事実上、夫の料理だ。

一品だけでは物足りなかったので、たらこパスタをつくった。

組み合わせはめちゃくちゃだけど、「料理で中国とイタリアめぐり気分が味わえるわけやん」と思い、「料理で世界旅行!」のフレーズを最初に思いついた人のように自信満々で「ね、なんか中国とかイタリアっぽいよね」と夫に伝えたが、反応は極めて薄かった。

しかし美味しそうにパクパクと完食してくれた。

 

たまには本を読もうと思い、「どもる体」を手に取る。

吃音症の仕組みを理解するための一冊として話題になったもので、装丁もすてきだ。

吃音症を知ることは普段何気なく行われている言葉のコントロールを知ることにもつながる。

まだまだ序盤なので深い感想は語れないが、とても興味が湧くテーマである。

しばらく夫婦並んでそれぞれに本を読んでいたが、どちらからともなく眠りについた。

猫はどっちに乗っかってやろうかとあっちにきたりこっちにきたりウロウロしていた。

 

 

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PKやまもと | させぼ通信

 

 

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