ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

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大雨とアジア音楽は合う

昼過ぎから、臨月を迎えた友人の家を訪ねようということになっていた。

その時間まで、子とだらだらと過ごす。

外はいまにも雨が降り出しそうなどんよりとした曇り空で、予報では昼過ぎから夜まで雨と出ていた。

食欲もあまり湧かず、子のミルクをあげてぼちぼち記事を片付けた。

軽く食事を済ませてから出発する。

外は雨がぱらついていた。

友人宅に着いた。

臨月を迎えた友人の腹囲は103cmほどになっていた。

ほんとうに、いつ産まれてもおかしくない状態である。

「令和生まれを目指してたんだけどねぇ」と笑う。

子との対面を楽しみにしつつ、不安もいっぱいのようだ。

自分の実体験を話すことはできても、それを他人に当てはめたり励ましたりすることは難しい、と思う。

「わたしはこうだったから、あなたもきっと大丈夫!」なんて言える世界ではないのだ。

頭ではわかっているのだが。

でも、無事に産まれてきてほしいとわたしは願っていますということは伝えることができる。

あと、経験して思ったことだが、検索の鬼にならないことだ。

助産師にストレートに聞くか、子育て中の友人か家族に打ち明けるだけで事足りることもある。

不安の処理方法はいまだ尽きない。

しかし不安がりすぎてもしょうがない。

「なるようになるって、構えなきゃいけないんでしょうね」と笑う彼女に、逆に励まされたような気もした。

ちなみに彼女はチョコミント好きであり、レア肉好きという数少ない同士だ。

チョコミント好きなわたしのためにオレオの新作を取っておいてくれたのだという。

わざわざだ。おもてなしの心がすごい。

出されたコーヒーと一緒にいただく。

最高だ。

妊娠中にレア肉が食べられないのは本当に辛いよね、ということをずっと話していた。

子がぐずり出したのと、夕方にさしかかってきたのとでおいとますることにした。

出産の無事を祈り、帰宅する。

友人の家を出ると同時に雨足が強くなってきた。

次第にそれは、ワイパーをフル稼動しないと前が見えないレベルになってきた。

自宅に着き、車内で思案する。

あと1時間もすれば夫の仕事が終わり、迎えに行く時間となる。

このどしゃ降りの中、子を抱えて家を出入りする気にはならなかった。

そういうわけで、夫からお迎えコールがかかるまでのあいだ、車中で子の世話と仕事やらを済ませることにした。

雨が車のボディをバチバチ叩きつける音がサラウンドに響く。

まるで秘密基地の中にいるかのような気持ちがした。

いや、これもまた、どこかから難を逃れて身を隠す難民母子になったかのようなシチュエーションだ。

逃走中、道端に乗り捨てられていた廃車に乗り込み身を潜めるという感じだ。

子にミルクをあげ、雨の歌をうたう。

そのあと週末のブログが溜まっていたので書いているうちにあっという間にお迎えの時間になった。

雨の勢いはまだ落ちていない。

安全運転への意識をより高めながら、ハンドルを握って出発した。

自宅のある山をくだると、空の表情がかわった。

夕焼け空が雲の隙間からかいまみえ、天気雨のような様相だった。

しかし雨は相変わらず降り注ぐ。

空の光を反射しているせいか、粒がはっきりと見える気がする。

たまたまSpotifyでアジア音楽のプレイリストを流していたのだが、その曲にとても似合う光景だった。

夫に、迎えに行くとドヤ顔で伝えておきながら指定した時間よりやや遅れて到着したわたしは、道に迷ったのかと心配されてしまった。

ほんとうは帰宅ラッシュを見込んだ時間をちょっと過ぎてしまったのだ。

案の定、プチ渋滞にはまりこの有様である。

夫は腹ペコ状態だった。

即帰宅を提案したが、わたしのブログを見てくれたようで、サーティワンの新作チョコミントアイスを食べに行こうと提案してくれた。

せっかくなのでありがたく五番街へ。

まずは、はなまるうどんで腹ごしらえをした。

夫はわたしが注文しているあいだにすでに席に座り食事を始めていたが、醤油とソースを間違えてぶっかけてしまったそうで、なんともいえない顔をしていた。

うどんを食べ終わり、サーティワンへ。

テンションがあがって、新作チョコミントともう1つミント系アイスを注文してしまった。

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この視線を横目にほおばる。

 

「うん、…うん!!」

やはり美味い。

美味いのだが、なにかがおかしい。

 

ふと考えて、どうやらわたしは声を出して感動しようとしていることに気がついた。

おもいのほか感動していないのである。

これにはさすがに動揺した。

 

その理由は明白だった。

ここ2ヶ月以上のチョコミント漬け生活のおかげなのか、チョコミントから受ける刺激に対して鈍くなってしまっていたのだ。

夫の顔を見ると、そりゃそうだろうよという顔をしていた。

なんなら、オマケで注文したミントストロベリーアイスのほうが新鮮で美味しい。

それを夫に伝えると、「珍しいから美味しく感じるんだね」と言う。

珍しい、少数派、といった要素抜きでチョコミントの価値と向き合ってもらうという二次テーマのもと行われていた夫によるわたしへの“餌づけ”は、このような形で試練として現れてきたのである。

ふと鼻の下に違和感があったのでさわってみると、ニキビができていた。

この歳でチョコミントニキビか、と笑えてしまった。

 

 

【記事を書かせていただいてます】

PKやまもと | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】

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「ミント畑よりこんにちは」のフレーズよりこっちのがいい。