バイアスに鳥肌
雨がばんばん降っていたので、子とのお出掛けは遠慮しておくことにした。
夫は髪を切りに行くついでに、お義母さんとお買い物に出かけていった。
雨はばらばら窓をたたきつける。
わたしは子に絵本を読んで、おなかの上に子をうつ伏せで寝かせた。
少しも経たないうちに寝息が聞こえ、わたしも案の定つられて眠くなって落ちた。
息苦しくなって目覚めると猫が乗っていた。
ちょうどのタイミングで帰ってきた夫に写真を撮られる。
きっと微笑ましい絵図になっているんだろうなと思いきや、とんでもなく老けた自分の顔に驚愕し、そっとトリミングした。
子の可愛さばかりに気を取られていると、自分がおろそかになる。
それは、子と向き合っているときであればまったく気にならないのだが、
いざ自分と向き合った時に「本当にどうした?」と思わず問いたくなるほど変貌していることがある。
子がリモコンをねぶねぶしていた。
お義母さんが除菌シートでふきふきしていたものだが、もはや雑菌などどこにでもおるわけだしきっと大丈夫だろう。
ところで、この「子がリモコンをねぶねぶ」している光景は、よそのお子さんの写真でもよく見るのだが、あるあるなのだろうか。
たぶんわたしや妹たちも辿った道である。
手に取りやすいため納得ではあるが。
ほかに魅力があるとすれば、やわらかいゴムのボタン部分と赤外線だ。
「ゴムのブニブニおいちい!赤外線おいちい!」というわけである。
いやはやなんともはや。
夫とお義母さんはトライアルに行ってきたようで、ピザをご馳走してくれた。
ケースが可愛いふかふかパン生地だった。
ぶどうもつまませていただく。
皮ごと食べられるのかそうでないのか、ぶどうとの駆け引きを口の中で繰り広げながら高校演劇の動画を観た。
なにげない女子高生たちの日常風景に乗せて、偏見についてのメッセージを鋭く訴える、愛知の高校がやっていた「by us」という芝居だ。
バイアスだ。
鳥肌が立つほどすごい脚本だった。
夫と「うおお」と言った。
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