辛ラーメンに酢はおすすめです
劇団で苦楽をともにした友人に子どもが産まれたので、子を連れて訪ねた。
まだ生後2週間も経っていないベイビーは本当に小さくて、活発で表情豊かだった。
7カ月を迎えたわが子と並べてみる。
あまりの体格差に、成長というよりメタモルフォーゼの域だと感じた。
もちろん子も新生児期はこんな感じだった。
しかし当時の記憶はすでに曖昧だ。
半年ぶりではあるが、新生児を抱えたときの重みと緊張感、そして独特の香りを思い出した。
男の子だし、というのも変な言い方であるが、両親(友人夫婦)を見ている限り身長はガツンと追い越されそうな気がする。
お互いに、待望の第一子出産を称えあい、出産の体験談などで盛り上がった。
その間、友人は3回ほどベイビーのおむつ替えをしていた。
自分も通ってきた道のはずなのに、「すごいなぁ〜、大変だなぁ〜」と思ってしまう。
たぶんどの母親でもそうかもしれないが、自分を客観視する余裕などないのだ。
気づいたらここまできてました、という感じなのだ。わたしだけだろうか。
友人との話は尽きなかったが、子がぐずり出したタイミングで切り上げることにした。
子の予防接種のため小児科へ行った。
いつも行っていた小児科の先生が怪我をして診療が出来なくなったため、いつもとは違うところだ。
先輩ママから、診療の待ち時間や場所、先生の特徴などで通い分けをするといいと助言されていたので、これは良い機会だともおもった。
その小児科は、先生がとってもクールだと聞いていたので少し身構えていたが、診察に一切無駄がなく、とてもスピーディーだった。
結果、わたしにとっては快適だったのである。
子にとってはどうなのかわからないが。
行きつけがもう1つ増えた。
長時間の外出のせいか、子は帰り道ずっとチャイルドシートで爆睡だった。
家に到着し、抱っこして運び込んでもずっと眠っていた。
が、ときどき自分のいびきに驚いて起きては泣き、寝て、を3回ほど繰り返した。
子を連れて人と会うときは、先方に対して失礼がないかということが気になってしまう。
子と対面でいるときと、第3者を交えたときと、自分でもわかるほど口調が変わるのだ。
どういう風にかというと、やや方言が入って命令口調になる。
人に子を抱っこしてもらっているとき、よだれが服につきそうになると、「アンタ、よだれつけんとよ!」となるわけだ。
こんなこと、2人きりでいるときは絶対に言わない。
ということは、やはり先方への申し訳なさが優先しているのだ。
もしくは、わたしちゃんとしつけてますよ、とアピールするための防衛本能のようなものなのかもしれない。
こういった母親の変化は、子が物心ついた時にとても不思議がるものの1つになるのだろう。
出先で、いつもお世話になっている先輩ママとお子さんに会い久しぶりに言葉を交わしたのだが、
「抱っこしたいな」と言ってくれたお子さんに対して、子が不機嫌だったためやんわりと断ってしまった。
せっかく抱っこしてくれたのに子が泣いてしまったら、お子さんに申し訳ないなとおもったのだ。
そりゃあ、かわいい幼女にうちの子が抱っこされるなんて、ハーゲンダッツのバニラにレディーボーデンのバニラが乗っかったような最高に甘い光景だ。鼻血ものだ。
わたしは断ってしまったことにも申し訳なくなってしまった。
そんな申し訳なさスパイラルに陥っていたところ、先輩ママから「わかりますよ~、わたしもそうでした」とのコメントが。
一気に心が軽くなった。
母親同士の共感は、特殊なものである。
だからずっと子育てコンテンツが人気なのも、とても分かる気がしたのだ。
辛ラーメンが猛烈に食べたくなって、勢いで作った。
夫がいないのをいいことに、酢を大量にぶち込む。
辛さと酸っぱさのハーモニーが最高で、ヘラヘラ笑いながら完食した。
多少トイレがつらくなってもいいから、もう1袋食べたいとおもったけどやめた。
夫は今日も、3時間ほどしゃべり倒してきたのだという。
1週間分のしゃべり時間を合計すると、1日近くになるのではなかろうか。
彼が敬愛してやまない伊集院光が「ラジオの覇王」と呼ばれているので、覇王めざしてがんばろうと言うと、「俺、話の中身は面白くないからなあ」と言う。
そんなことは決してないのだが、しゃべった時間の合計だと手が届きそうな気がする。
がんばれ夫。まずは帝王からだ。
【記事を書かせていただいてます】
【日常あれこれ】
— chirolpakutiaji (@chirol1660) 2019年5月10日