たぶん忘れてじぃと言う
どうしても今月中に書いてしまいたい記事があり、半日パソコンの前にしがみついていたかったのだが、わたしの足元でつかまり立ちをしてくる子を放っておくこともできず、スマホでの作業に切り替えた。
できるだけ子と同じ目線になるように床に座ってスマホで文字を打っていくが、それはもう誘惑の塊だらけで、意識はあちらこちらへ飛んでいく。
一旦出来上がったテキストをパソコンで共有し、子が寝ているあいだにじっくりと見てあれこれいじる。
こんな調子で夕方まで過ごした。
夜は、父のバースデー祝いに嬉野まで足を延ばした。
バースデーと父の日も兼ねているので、同月で都合のつく日であればどこでも、というゆるさ加減だ。
父は嬉野の「シーボルトの湯」と「レストランぎゅう丸」が大のお気に入りだ。
この2つは必ずセットとなる。
わたしと妹1と子、父と彼女で別々の車で現地集合という形を取ったが、こちらがやや遅れてしまった。
もてなすはずが待たせてしまうとは。
ワタワタと到着し父たちの顔色を伺うと、ゆっくりと温泉に入ったのちビールを堪能していたようで上機嫌だった。
父たちはわたしたちの顔を見るや、まっさきに旅行土産と夫家族へのお土産を手渡してきた。
逆おもてなしの連続に、なんとも申し訳ない気持ちになる。
しかしそれだけに、孫パワーはすさまじかったのだ。
父は年に一回のこのお祝い事のとき、必ず乾杯をしていたのだが、今回に限っては連れてきたわが子にデレデレですっかり忘れてしまっていた。
わたしがバースデーの話題をパスしたにもかかわらず、簡単な返答をするのみで、すぐに子の話題に移ってしまった。
あれだけ自分のバースデーを大事にしていた父が。主役である自分を脇へ追いやるとは。
しかし、突然「やっぱり〇〇じぃは嫌だ」と、自分の孫からの呼ばれ方について3分ほど主張していた。
結局、名前の頭文字を取って「〇ーちゃん」に落ち着いたのだが、たぶんわたしは忘れてじぃと言う。
父は孫を抱えながら、自身のスマホ画面を見せていた。
家電量販店にディスプレイされているテレビモニターのようなキレッキレな画面で、遠目からもクッキリとわかる。
映っていたのは、笑顔の子がぬいぐるみに寄り添う画像だった。
わたしと妹1は父の変貌にムズムズしながら、運ばれた料理をもりもりと胃に放り込む。
こちらの都合を完全に無視した超自由形な子の動きを制するのに必死で、肝心のハンバーグの写真を撮り損ねた。
わたしのすべての動きが子の動きで決まる。
パイ包みスープも、子がおとなしい隙にふんわりサクサクの余韻に浸る間も無くスープに沈むこととなった。
焦らしながらパイを沈めていくのがこの料理の醍醐味ではないのか。
一気に沈められたパイは、濡れ布団のように重い塊となり、食べるのに苦労した。
片手と片ひざで、テーブルに突っ込もうとする子を制する。
ランチョン紙、おしぼり本体や袋が子の気を引くための贄となったが、すぐさまポイポイと掘りごたつの下に投げ入れられた。
こちらの思惑はお見通しのようだ。
先に食事を済ませた父が抱きかかえてくれた間にパクパクと平らげた。
結局、父のバースデー食事会は孫オンザステージのような様相になり幕を閉じた。
少しばかり話し足りなさを感じつつ、現地解散となった。
帰り道は、すっかり活動スイッチが入った子の暴走モードで車内が大荒れだった。
子の隣で、「タケモトピアノ15分耐久動画」をスマホの最大音量で流しながら頑張ってくれていた妹1もとうとう音をあげてしまい、運転を交代した。
子はなんとか寝静まり、互いの労をねぎらった。
家に着いてから、もらったお土産を開封すると、中身はスイートポテトだった。
なんかどデカイ鉱物のような、ロマンあふれる形状をしていた。
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