ダメ元で美容室に電話する
半年ぶりに髪を切った。
まるで重力から解き放たれたような気分である。
わたしが行きつけ(半年ペースなのにそう呼んでいいかは謎である)の美容室に電話をかけるとき、前もってではなくいつも当日だ。
「ダメ元で聞きますが、今日どこか空いてますか」が常套句だ。
しかも夫に子を見てもらえる土日なので、当然いつも埋まっている。
そのため、いつも申し訳なさそうに断られていたのだ。毎回本当に美容室のお姉さんが申し訳なさそうだったので、こちらもいつも唐突に電話してスミマセンという気持ちだった。
もっと早くに電話しろよと自分でも思うが、子を家族に預けて髪を切りに行く、というのがこれまた気分的に難しいというのもある。
仕事とは違うし、遊びのようにいっそ開き直れるものでもないとおもうので、どうも腰が上がらない。
わたし自身が髪型やファッションに疎すぎるというのも原因だろう。
切らなくてもまぁ生きていけるし、という感覚なのである。
なので、前もって家族に子を預けることを約束して美容室を予約し、その日まで申し訳なくソワソワと過ごすことができないのだ。
なのでどうしても予約が当日になってしまい、「たまたまかけたら空いてたー!ので、行きます、すまん!」という超激しい勢いをつけなければどうにもならなかったのだ。
ので、今回のヘアカットは「たまたま空いてた」のと、「半年切ってない」というのと「髪が暑苦しすぎて、自分でハサミを持ち出してしまいそうになった」という3つの要素が重なった結果、叶ったものだ。
もちろん、子を見ててくれた夫には感謝でしかない。
美容室へ行き、「中身かりあげで外は普通で」といったオーダーをする。
見かけ3kgほど髪が減って、とてもスッキリした。
わたしはもう34歳になる。
もういい加減、髪を切る前に「すいてください」、髪を切った後に「髪が減ってスッキリしました!」とコメントするのはやめようと思った。
「次はこんな服に似合う髪型を…」「色変えてみようかなぁー」などと言ってみたいものである。
おそらく2年ほど前に作ってもらったポイントカードは、まだ貯まっていなかった。
駐車場へ行くと、猫が「お?」という顔をしていた。「危ないからどいてよ」と言って遠くにやった。
刈り上げた部分がジョリジョリと気持ちがいい。
ついつい自分でさわってしまう。
帰宅すると、夫はパソコンで「TVチャンピオン極」を観ていた。
なんだ変わってないじゃないかという顔をしたので、とりあえずジョリジョリをさわらせた。
お義母さんも、全然変わってないじゃないかという反応だったので、強引にジョリジョリをさわらせた。
ジョリジョリと伸びている毛の境目が個人的にお気に入りだ。
子はとりあえず目の前にあったわたしの毛束を引っ張った。
わが家の嫁はジョリジョリなのだ。
その晩、夫がAプライスで購入したスピン風スナックを揚げた。
週末料理人と化している夫が、金曜に作った美味い唐揚げの残りとともに味わう。
ボウル一杯分を夫婦2人で、ウイスキーの水割りと一緒にパリパリサクサクと食べた。
ちょっと手が脂っぽかったけれど、多幸感のあまりついジョリジョリをさわってしまった。
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