夫の職業にタイムキーパーを付け加える
1日のうち、子とふれあう以外はほとんどがパソコンかスマホ画面を見ている。もちろん仕事のときもあるのだが、スマホのときは大体ネットサーフィンだ。
ほんとうに、頭のネジが1本外れたようにボーッとしながら見ている。
しかもだいたいは頭に入っていないのだ。なんなんだ一体、といつも思う。
いつのアップデートでそうなったのかは知らないが、その日の終わりになると、スマホが勝手に画面を見ていた時間を算出してくれる。
産後スマホで情報収集ばかりしていたときなんかは4時間もそれに費やしていたりして、わたしの年収低すぎ広告ばりに驚いたものである。
スマホのくせに、わざわざ見ている時間が長いことをお知らせしてくれるなんて案外いいやつじゃないか。
「こんなところにいつまでも居ていいの?奥さん、大丈夫?」と心配してくれるスナックのママみたいだ。
言われたことはないしちゃんと行ったこともないけども。
子の昼寝時間になると、眠気が連動するかのようにわたしも眠くなり隣に寝そべる。
すると最近は、大抵腕枕かわたしの胸の上に頭を乗せてくるものだから、確実に抜け出せない。
運良く気づかれずにすり抜けることもできるが、がっちりとホールドされていることが多いので、強引に起こして引き剝がさないと離れられない。
自分の自由も獲得したいがわが子の穏やかな睡眠も確保したい。
心の中ではしばらく女と母のせめぎ合いが起きていたが、結局本能である睡眠欲に負けてしまったのだった。
夫が帰宅して、30分後には用事で家を出なければならなかった。
なにかお腹に入れたら…と簡単な食事の準備をしようとしたが、夫はその場にあったものを使い10分ほどでナポリタンを作り上げてしまった。
あっけにとられつつ、つるつると食べたが美味い。
すぐに外出の支度をしなければならない夫に美味いを連呼し過ぎて足止めしてしまった。
妻のお腹を満たしたあと、夫は光速で自分のタスクを終わらせ、結果的に用事に間に合った。
よく人から「何者ですか」と聞かれる夫だが、「優秀なタイムキーパーです」とも付け加えておきたい。
夫を送り届け家に着いたあと、残りのナポリタンをニヤニヤしながら完食した。
美味いと人は笑いが出るものだ。
結局そのあと、子と遊びながら夫の用事が終わるのを待っていたがうっかり寝てしまった。
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【日常あれこれ】
ベースで買った太いフォーが大量に余っていたので、夫がパッタイ風にしてくれた。
わたしの身長よりも少し高い、台に乗った電子レンジの上に皿を置き、夫とお義母さんとわたしの3人で食べた。
足元でハイハイしながら上目遣いでこちらをうかがう子の様子を、大人たちはうかがいながらせかせかと食べ進めている。
とても湿度の高いアジアっぽい雰囲気があって良かった。