わたこんしき
前職のことをつらつらと思い出しているうちに、気がつくと結婚記念日を迎えていた。
ところでわたしは、入籍日の半年後に結婚式を挙げ、その4ヶ月後に子を出産している。
なので、なんとなく身の回りには「できちゃった婚かと思ってた」という人が居たりするのだ。
うん、まぁ、べつにいいけど…うん…。
というわけで、2年目の結婚記念日だ。1年目は「紙婚式」、2年目は「綿婚式」というのだそうだ。
夫に「綿だよ」と言うと、夫は「腸か」と言った。
この日は久しぶりの夫と2人での外出、そして手放しで酒が飲めるということで数日前からソワソワ楽しみにしていた。
行きつけの「かん田」を夜から予約し、昼間は家族で波佐見にドライブに出かけた。
久しぶりの西の原でオシャレな空気をお腹いっぱい吸い込んだ。
モンネポルトの一角に設えられた図書コーナーには、「ガロ」をはじめとするエッジの効きすぎたラインナップが揃い踏みで2人で唸った。
子がずっとよだれを垂らしながらわたしのスマホをアスファルトの地面に叩きつけて喜んでいた。
夫がSIGMAでまぁまぁ本気の親子写真を撮っていた。
帰りに立ち寄ったコンビニでA3プリントして持ってきたので見てみると、まぁまぁ泣けてきた。
夫が小田和正の「言葉にできない」を流し出したので、わたしの涙も流れ出した。
夜から街に飲みに出るはずが、目が少し腫れてしまいトホホだった。
そして帰宅途中、モンネポルトに子が落としたスマホをそのままにしていたのに気づき、再び波佐見に車を走らせる羽目になり更にトホホだった。
お義母さんのご厚意に甘え、夜は子を預けて飲みに出た。
予約時間ギリギリだったため、タクシーを呼んでバタバタと出発した。
夫すまない。
かん田では安定の美味料理を楽しむことができた。
かぼちゃ嫌いが好きになるかぼちゃ豆腐。
グリーンが美しい銀杏と、佐賀の宝・蓮根。災害でもなんのそのだ。
ひらめと肝だ。ずっと舌の上で転がしたい味だった。
高知のでっかいマグロ赤身の3つの部位を贅沢に。けしからん。
トロの炙り。けしからんしわさびだけでいけるしけしからん。
クエの頭が昆布でこんなことに、頰肉が特にけしからん。ぽん酢は夫婦で飲み干した。
塩を小指で舐め出した頃、「やはり最終的には銀杏と蓮根だ」という意見に落ち着いた。
ビールと日本酒を飲み、多幸感に包まれながら店を出た。
しかし肉成分が足りなかったので、そのあと訪れたクーシェでハンバーグ定食を食らった。
なんの抵抗もなく胃に収まったので、これは食べたというより飲んだと表現する方が正しいかもしれない。
サッポロビールの瓶を1本空け、時計を見ながら最後の一軒の旅と猫とへ足を運ぶ。
その途中で酒賓館いしまるに寄り、小ちゃいワインを2人で分けて飲み干し、スパンと店を出る。
最高だ。
旅と猫とでは、母へのバースデープレゼントやら愛猫へのブラシやらを買い込み、ロックな猫のお酒をいただいた。
とても幸せだった。
「わたし、今夜は帰りたくない!」という、一昔前の恋愛ドラマのようなセリフが口をついて出そうになったが、子が待っているのでぐっと飲み込んだ。
帰宅してお義母さんにお礼を伝え、夫に手紙を渡した。
気の利いた贈り物を買うセンスもお金もなかったので、気持ちを正直に伝えるしかなんともやり方が思い浮かばなかったのだ。
来年までにはどうにかしようと思う。
そして次の日、半ば二日酔いな状態で午前中はグロッキーになりながら子の世話をした。
二日酔いになるまで飲んだらつらい、と学習した結婚記念日だった。
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