ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

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小なら1回、大なら2回押せばいい

昨日、電子レンジが壊れた、と書いたが、さっそくお義母さんが新しいものを買ってきてくれた。

家電が入っている箱なんて久しぶりに持った気がする。

なかなか重い。

部屋まで運び入れ、床に置くとまた持ち上げるのに大変なので少し高さのある小さくて丸い腰掛けの上にそっと置いた。

当たり前だが箱の左右が椅子から飛び出していてグラグラする。

取り出す時、そのアンバランスが不安ではあったが、持ち前の面倒くさがりで決行。

下から箱を支え、持ち上げるお義母さんを鼓舞するという意味不明な役に回ってしまった。

持ち上げるべきはどう考えてもわたしだったことを反省しつつ、操作を確かめようとレンジを見る。

アメリカのメーカーでそこそこ良い感じのものらしい。

もちろんディスプレイの文字は英語だ。

最上段の横並び3つにはイラストが描かれている。

冷凍マークか魚のマークかなと思いきや、それはポップコーンとポテトとピザだった。

アメリカか!とツッコまれるネタを冗談で商品化しました、と言わんばかりの食いしん坊アメリカン電子レンジだった。

「キャハハ!さすがアメリカ人!」とお義母さんとはしゃぐ。

これはもはや映画観るときに食べるやつ用だとすら感じる。

映画館に置いておくべきである。

 

わたしは英語が不得意だ。

なのでお義母さんに取扱説明書を読んでもらった。

すると「小さいポテトはスイッチを1回、大きいポテトはスイッチを2回押す」と書いてあったらしく、お互いツボにハマりしばらく笑った。

大小の基準はなんなのか。

おのおののスケールでポテトの大小を決めろということなのか。

そのときの心理状態によって、ポテトの大きさなんて変わってくるはずなのに。

気弱になっているときはポテトは大きく驚異的に見えるはずだし、気持ちが変に驕り高ぶっているときはポテトは小さく、手で握りつぶせるほどに見えるかもしれないのに。

 

例にもれずピザも、ホールかピースかもわからないのにスイッチ1つだ。

ピザの大きさを感知するセンサーなんてついているはずがない。

 

とりあえず、アメリカ大陸は広い。

そんな些細なことにこだわっている暇はないということだ。

 

夫の職場のBBQに子とともにお邪魔した。

とても結束力が強い、俺たちのチームへようこそファミリー!と言わんばかりの圧倒的オーラを放つ人たちが迎えてくれた。

しかも押し付けがましくなく、よそよそしくもない。

早い話が、高度な対人スキルを持つひとたちの集団だった。

わたしはすっかり、優しい村人たちに助けられて胸を熱くしている移民の母親のような気持ちになっていた。

 

先日、ふだんお世話になっているメディアで記事を書かせていただいた。

その際に参考にと夫の友人のコメントを掲載した。

佐世保愛が深いひとなので、コテコテの方言で書こうと思ったことが裏目に出たようだ。

彼が経営しているカフェへ夫と赴き、感想を訪ねると、「佐世保弁へたくそか!エセっぽいの喋らせやがってよぉー!」と盛大に突っ込まれた。

その問題のセリフ部分を音読してもらうと、東京の映画製作スタッフが方言監修をケチって書いた、佐世保映画の脚本みたいになっていた。

 

子をカゴに寝かせ、美味しい飲みものをいただきつつ会話を楽しむ。

「赤ちゃん見てたら・・・前向きになれるよね」と夫はしみじみ言った。

真顔ではなかった。

そして「俺、S東美Sマートの実体を知らないんだよね」と続けて2回ほど話した。

よほどのことらしい。

カウンターにいた夫の友人は、水性ペンで食器棚のガラスに「S東美Sマート」と書いて夫にレクチャーしていた。そのあとCMに出てくるフレーズ「エース、トービー」をみんなで斉唱した。

はたから見れば社員研修のような光景であった。

 

途中から、わたしが尊敬してやまないライターさんが合流することになった。

彼女の記事はすべてプリントアウトして大切に保管している。

その素晴らしさについてご本人を前に夫と友人にプレゼンしていると、おどおどとした口調とともに謎の高揚感に包まれ、ミーハーと化してしまった。

特撮ガガガの主人公に負けない自信はあった。

 

佐世保人あるあるで盛り上がった。

ほんとうにわたしたちは長崎のことをしらない。

させぼあるある:長崎のコト知らない人だらけ | させぼ通信

 

帰宅する時間は、当初予定していた20時半を大幅に過ぎ、朝の4時を回っていた。

こないだ見たアメリカンホームドラマの「おい、冗談だろッ!?(ひょうきんものの黒人が言っていた)」というセリフが頭に浮かんだ。

 

楽しかったんだけど、子を見ながら長時間過ごすのはやはり神経を使う。

周りが協力的だとしても何かがすり減る。

こんな気持ちになることに罪悪感を抱いてしまうし、もっと器用に立ち回れたのでは、と反省が頭をグルグルめぐる。

 

家に帰ると夫はベッドに倒れ込んだ。

と同時に、あまり眠れていなかった子が泣き喚く。

「結局こっちにしわ寄せがくるじゃんかよ!!」とわたしも泣き喚いてしまったが、夫からは音質の良いいびきが返ってきた。

涙は即引っ込んでしまった。

赤子も大人も、泣きつく対象がいなくなると泣くのをスパッとやめられるらしい。

とても合理的にできている。

 

朝には、別件で撮影の用事が入っていて、夫と出掛けねばならなかった。

それまで4時間。

寝るには短すぎるし、起きているには長すぎだと思ったが、寒かったので毛布にもぐって寝た。

 

 

【エセ佐世保弁を書いてしまいました記事がこちら】

かってに『R-1(ラーメンワン)グランプリ』開幕!佐世保人が好きなお味はどっち? | させぼ通信

 

【記事を書かせていただいてます】

PKやまもと | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】