ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

MENU

デザインにそっと歩み寄る

今朝はゴミ出しだった。いつも朝のうちに回収車がきてしまうので、なんとか起き上がってバタバタとゴミステーションに出していたのだが、ここ最近はずっと夫に頼りっぱなしだ。

妊娠中で眠いことを言いわけに、「あとで行くから大丈夫」といいつつ、結局布団から出ずにうだうだしている。

せめて夫のお昼ごはん(といっても超簡単なおにぎりだ)はつくらねばと台所へ行き、すべてが片付いた空間でテレビの録画予約をしている夫に「ゴミ捨てありがとう」と言う。

前日の夜のうちに出せたら朝が楽なのになぁといつも思うのだが、どうやらゴミステーションには管理人さんがいるらしく、鉢合わせすると色々と面倒なようだった。

また、近所の親切な人が地面につけてくれたソーラーライトのわずかな灯りをたよりに、ほとんど真っ暗といっていい山道を登る勇気もなかった。

 

先週は寝坊して行きそびれたので、子のおむつが一週間分溜まっていた。

45リットルのゴミ袋が一杯になるほどの量で、あの小さな身体からこんなに出てくるものかと純粋に驚いた。

 

夫の出勤時間が2時間ほど遅くなったので、いつもよりのんびりしていた。

夫婦で賑やかにしていたので、子もつられて起きた。お義母さんも一緒にみんなで朝ごはんを食べた。

いつもなら二度寝をしている時間なので、なんだか夢の中にいるように不思議だった。

夫を子と一緒に見送った。ブンブンと手を振る子を抱っこしていると、ものすごく住宅メーカーのCMに出てくる家族みたいだった。天邪鬼なのでそれは解せん、と一応思うことにした。

 

若林恵さんが編集した、特許庁の「デザイン経営ハンドブック」を読んだ。

デザインって絵とかオシャレとかだけじゃなかったのかー!と、ものすごく感動をした。素人の感動として立派な見本になれるかのような感動っぷりだった。

話のほとんどは高度すぎて頭が追いつかなかったが、その感動だけでももうけものだ。そんな本や文章とこの先も巡り合わなければとおもった。

ガツガツとお昼ごはんを食べて、子と庭に出てピクニックをした。お義母さんが色々と用意してくれた。申し訳なさと有難さで目元がゆるむ。

偶然にも実母から子へお菓子のプレゼントが届いた。

テンションのリミッターがすっかりはずれた子は口元を悲惨な状態にしながら我を忘れて暴食した。さすがにまずいと思いストップをかけたら、そばにあったホウキを持って一目散に駆け出した。まったくもって自由な生きものだ。

 

その後エネルギー切れで昼寝に入った子をそっと起こさないよう、掃除やら庭の草集めやらに勤しんだ。

そしてまたデザイン関連の本を読んだ。ほんの少し歩み寄れた気がした。

 

子が起きた。壁に備え付けてあるタブレットを指差して「動画を流せ」と無言で訴えてきたが「もう少し主張をがんばらないとダメよ」と無視したら泣いた。

そしてすぐにターゲットを隣に座っていた猫に切り替え、手でモフモフしながら笑っていた。

 

子を連れて買い物に行ける状態ではないので、ここ数週間ずっと財布を開いていない。と同時に、おやつというムダな買い物を一切していない。

まだ周りの空気が穏やかだったときは、夫にチョコやらアイスやらをねだっていたが、最近はとにかくまっすぐ家に帰ってきてほしいので、ほんとうに必要な物資の調達以外のおねだりは完全に自粛している。

子がお義母さんからもらったチョコドーナツの封を開けろと駆け寄ってきた。

お義母さんセレクトなので、きっとヘルシーなやつだろうと思って開けてみると半分だけしっかりチョコがコーティングされていた。

「こっこれは、チョコはまだあなたには早いからー!」と、チョコがけの部分だけかぶりつき、プレーンな部分を子に渡す。

思わず「ンンンンンーーッッ」と声が出た。一種の中毒症状かもしれなかった。

子はそんなわたしを見て、「そんなにか」という顔をしていた。ほんとうに、「そんなにか」という顔をしていた。