ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

MENU

青春はいたるところであふれている

妹2を見送りに、姉妹3人と子で長崎空港へ向かった。

雨が降るかと心配されたが杞憂に終わった。

次に会うのは秋、親戚の結婚式だ。

搭乗ロビーと待合エリア越しに電話を使って別れの言葉を交わす「グッバイコーナー」があると知ったのは妹2を完全に見送ったあとだった。

受話器のそばに立ち、ガラス越しに妹2の背中を見ながら、この受話器を持つ姉に気づいてはくれまいかと思っていたが、妹2は颯爽と歩いていってしまった。

このグッバイコーナーだが、数年前から地方空港の名物として注目されているのだという。

全文表示 | 地方空港でドラマ生み続ける「ガラス越しの電話」 スマホ全盛でも消えない「別れの演出」 : J-CASTニュース

さまざまな呼称があるらしいが、なんにしてもとても素敵な別れの演出だ。

ただ、この存在に気がついている人はどれぐらいいるのだろうか。

ながさき紫陽花まつりのPRで配られていた長崎銘菓おたくさを手に、妹と駐車場へ向かった。

✳︎

✳︎

✳︎

子をチャイルドシートに乗せるのがちょっぴり難しくなってきた。

暑くて不快だということに加え、やはり動きのバリエーションが増えたことで、こんな狭いところにおさまってたまるかー!と激しい抵抗をすることが増えたからである。

車を止め、シートから抱き上げると両足をピンと伸ばしバタバタと動かした。

すぐに自分から座席の背もたれにつかまると、その場で足踏みをした。

座らせようとしても足を曲げずにずっと立ち続けている。

そんなアクティブな子のようすを見て、おお、これは接客業向きかな、とぼんやり考えていた。

 

季節の変わり目あたりに、わたしは決まって喉を腫らし熱を出す。

原因はわからないのだが、風邪薬やうがい薬が一切効かないうえ、食欲はあるのに喉が痛いというなんとももどかしいフルストレス状態だ。

しかも今回発症したタイミングが、夫のバースデー前後だったというのだから妻としてとても不甲斐ない。

けれどもこの日はどうしてもお出かけしたい場所があった。

平戸オランダ商館の「 yellow yellow yellow」展だ。

日用雑貨、嗜好品、服飾雑貨、食品など黄色のものばかりをズラリと1つの空間におさめたインスタレーション展だ。

先週フライングでここを訪れ、ガックリしながら帰ったアレである。

ようやく見ることができて満足だった。

f:id:PKyamamoto:20190610120010j:image

子に黄色いものを着せてみたが正解だった。

肖像画っぽく写れるコーナーで子の写真を撮った。

f:id:PKyamamoto:20190610120119j:image

全体的にバシャバシャ撮りまくりながら会場を回った。

「黄色が押し寄せてくるね!」とお義母さん。

まさしくその通りだった。

帰り道も、あらゆる場所で黄色のものが目について仕方がなかった。

これがカラーバス効果なのかと震えた。

 

帰りに寄ったスーパーで、彼女連れの部活のコーチと、それをからかう教え子の女子高生との一部始終をこっそり見たり、海沿いを歩く高校生カップルの姿を見たりした。

青春はいたるところであふれているんだなと感じた。

 

夫のバースデーに、夫への愛を伝えようと思い夫の写真集をつくった。

3O(=夫)写真集だ。

f:id:PKyamamoto:20190610135424j:image

私から見て、カッコいい、セクシーだ、イキイキしている、物憂げだといった珠玉のワンシーンを集めた逸品だ。

ちなみに夫以外の人も出演しているし、ところどころには私の熱い思いがほとばしっている。

夫に愛を伝えるということと、あとから自分で読み返してニヤニヤしたいという、至って自分本位な欲求で生まれてしまったこの写真集は、歳を重ねるごとに巻数を増やしていくことだろう。

夫のことをご存知の方は、写真集の感想をぜひ彼に聞いてもらいたい。

わたしから直接聞く勇気はないのだ。

 

夜、ニンテンドースイッチFF9を夫と一緒にプレイした。

わたしはこれまでのシリーズだと、9がダントツで好きである。

夫に「女性で9好きな人って珍しいよね」と言われたので、「まぁ、深いファンタジーに浸れるっていうかね…」と返事をしたあとに我ながら良い感じだったのでニヤリとした。

男のロマンがわかる女ってやつだ。

サバサバ系女子だ。

しかし以前夫には、9をプレイしていた高校生当時にドハマりしたBLカップリングの話をしていたので、きっとその渾身のコメントはスルーされてしまったのではないかと思っている。

 

 

 

【記事を書かせていただきました】

あの赤いゾウさんのスーパー、エレナの「アノ歌」のひみつを探ってみた | させぼ通信

 

三ヶ町の路地裏にある『立ち呑み処&猫雑貨屋 旅と猫と』に、猫好き女子でまったりしてきたよ【毎月22日はニャンニャンデー】 | させぼ通信


猫にもなれちゃうふしぎなお店、有田町の『工房 FLOWERS』をたずねて | させぼ通信


料理との"出会い"が楽しめる、佐世保の穴場スポット♪気まぐれオーナーのこだわりが光る下京町の『ご飯屋ぐーぐー』でランチ | させぼ通信

 

【珍スポット】佐世保の「ゆうれい坂」って知ってる? | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】

https://www.instagram.com/p/Bycn5DxpD0-/

レアチーズケーキとってもスッキリしたお味でうまままです#佐世保 #sasebo #kuche #クーシェ #島地町

 

なんだか連休らしい連休だった

母が速攻で帽子を2つ作ってくれた。

猫耳つきと、シンプルなつば付きの帽子だ。

f:id:PKyamamoto:20190608103021j:image

f:id:PKyamamoto:20190608103015j:image

どちらも妹1が撮影。わたしはどうしても子をとらえるのが下手くそすぎた。

f:id:PKyamamoto:20190608103231j:image

逃げられるしすぐ帽子を脱ごうとする。

 

母曰く、「夏はもうやってきているんだからね!」ということだったが、それにしたって作るのが早すぎだ。

母やお義母さんといった手芸洋裁の大ベテランさんたちは、わたしがブログを1本書いている間にこうしたものを続々と作り上げている。

わたしなんかよりはるかに生産性のある存在だ。まったくもってすごいとおもう。

そういえば、「生産性のある…」が口癖の男性がいた。

知人の元カレだったのだが、本当にそんな口癖ってあるんやと驚きのあまり目を見開いたことがある。

そんな彼が、生産性のある人間だったのかどうかはわたしには知る由もない。

✳︎

✳︎

✳︎

朝、仕事へ行く夫を見送り妹たちが寝ている部屋へ入った。

大学生の宅飲みの成れの果てがまだそこにはあった。

2人とも連休が取りにくい業界で、死に物狂いで有給をもぎ取りやっと心身を癒している状態だったので、

起こさないよう物音を立てずゴミを片付けた。

寝室で、すでに目覚めて活発に動き回る子と遊びながら、だらだらと過ごした。

三姉妹のグループラインに、

佐世保バーガー

 

佐世保ラーメン

 

ペッパーくんがいる回転寿司ミラクルあおば

 

レモンステーキ屋(五番街)」

とだけ投下しておいた。

お昼ご飯の候補である。

関東住まいの妹2はしょっちゅう友人とオシャレ居酒屋やらイタリアンやら生クリームパンケーキ屋やらタピオカ屋やら肉屋やら行っているようなので、佐世保っぽいラインナップにしておいた。

佐世保ラーメンとは、一応ラーメン砦か麺や潮風的なところだ。

ほどなくして、「ミラクルあおば」と返事がかえってきた。

全員スッピンで出発した。

 

妹2が市役所に行きたいというので、まずそこに立ち寄った。

彼女が用事を済ませているあいだ、わたしと妹1でペッパーくんと話す。

ここにいるペッパーくんは、施設案内から観光案内、記念撮影までをきちんとこなし、誰もいない宙に向かってひたすら話しかけるということがあまりなさそうな分別のある子だった。

以前だったら恥ずかしくて話しかけすらしないところだが、ここ数ヶ月ものあいだレスポンスが正確でないもの(子やスマートスピーカー)に話しかけるということにすっかり慣れてしまっていたため、躊躇なく挨拶を交わすことができた。

EXILEのTAKAHIRO氏が出演している九十九島PR動画を観ることができるということだったので再生してみたが、なぜかずっとペッパーくんはガチャガチャと動き続けていた。

動く必要があろうか。TAKAHIRO氏のあまりのかっこよさに悶絶しているのだろうか。

妹1にTAKAHIRO氏のモノマネを披露して緩い笑いを誘ったり記念撮影をしたりしているところへ、用事を終えた妹2が戻ってきた。

 

市役所を出てミラクルあおばへ。

佐々インターを降りてすぐのところにそのお店はある。

妹2に佐々町の観光名所を尋ねられたが、うまく答えることができなかった。

シロウオが良い感じよ、と言いたかったが、シーズンはとっくに過ぎていた。

 

ラクルあおばは、スーパー回転寿司という肩書きを持つ。

時にレアな地魚が味わえるということだったので、可能な限り妹2には味わっていただいた。

レジカウンター付近にいたペッパーくんはいつのまにか姿を消していた。

佐世保市内にも、こうして生き残るペッパーくんとそうでないペッパーくんがいる。

食後のサービスでもらえるアイスをもりもりと食べながら帰宅した。

 

わたしの家で、姉妹と子と猫で再びゆるい時間を過ごした。

常に連休なのに、なんだか連休らしい連休を過ごしているかのような錯覚に陥った。

 

 

【記事を書かせていただきました】

あの赤いゾウさんのスーパー、エレナの「アノ歌」のひみつを探ってみた | させぼ通信

 

三ヶ町の路地裏にある『立ち呑み処&猫雑貨屋 旅と猫と』に、猫好き女子でまったりしてきたよ【毎月22日はニャンニャンデー】 | させぼ通信

 

猫にもなれちゃうふしぎなお店、有田町の『工房 FLOWERS』をたずねて | させぼ通信

 

料理との"出会い"が楽しめる、佐世保の穴場スポット♪気まぐれオーナーのこだわりが光る下京町の『ご飯屋ぐーぐー』でランチ | させぼ通信

 

【珍スポット】佐世保の「ゆうれい坂」って知ってる? | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】

f:id:PKyamamoto:20190608103605j:image

例のカメラアプリで夫を女性化してみたが、胴体とのギャップが激しくて怖い。

たくさんのヒゲ写真が誕生した

きょうは休園日だったね。

妹2よすまぬ

f:id:PKyamamoto:20190606095920j:image

✳︎

✳︎

✳︎

午前中に、みんなで祖父母の墓参りにいこうと決めていた。

子の食事のタイミングなどもあったため、指定の時間ピッタリに霊園に着いたのだが、妹たちはこれから家を出るのだという。

以前ふれたかもしれないが、わたしはとても時間にルーズで、友人や家族関係なく多大な迷惑をかけてきた経歴がある。ほんとうに面倒くささから意図的にやってしまったことから、トラブルに巻き込まれたものの連絡相談が向こうに行き届かなかった事例まで多岐にわたっている。

もちろん仕事のときは切り替えるし、子の世話のタイミングもあるため、かなり改善したつもりでいるのだが、妹たちに刻み込まれた傷は相当深いようである。

姉は多少待たせても問題ないという暗黙の空気がある。

完全にわたしの落ち度である。

そんなわけで、妹たちが到着するまでの間にこちらの用事を済ませておいた。

造花と柄杓の入った水桶を手にお墓へ行く。

母が丁寧にお墓を掃除しているあいだ、子を挟んで姉妹3人でおしゃべりをした。

天候は曇1つない青空で、紫外線が容赦なく降り注ぐ。

少しでも日に当てるとすぐに汗ばむ子の頭をハンカチやら手やらでかばいながら、帽子を買ってあげねばと話す。

f:id:PKyamamoto:20190608015144j:image

火がすぐに消えるマッチと悪戦苦闘した。

ようやく線香に火がついた瞬間、それぞれがわっと群がり、消えてしまわないよう慌ただしく火を分けあった。

原始人にでもなったかのような気持ちだった。

お墓の前で良い歳した女たちがキャーキャーと騒がしかったに違いない。

「でも寂しくないよね」というのが全員の意見だった。

 

「お姉ちゃんのブログ読んだら玉屋行きたくなった!」という妹2の有難いコメントがきっかけで、またまた玉屋へ向かうことになった。

まずは食堂で空腹を満たす。

f:id:PKyamamoto:20190608015203j:image

今回は奥の座敷に座り、自衛隊コラボメニューや人からオススメされたざる蕎麦を食べたりした。

ちょうど北海道物産展が開催されているようで、会場へ向かうとかなりの賑わいだった。

「北海道」と聞くだけで、抜群の安心感と食欲が誘われてしまうのはいったいなぜだろう。

以前夫と観に行ったギンギラ太陽ズの公演で、北海道物産展が百貨店の救世主的な扱いになっていた。

それも確かにと頷けるほど、毎回人気の催事となっている。

妹2はそこでせっせとお土産を買い始めた。

佐世保で北海道土産を買ってしまうほど、やはり魅力的なのである。

食堂ですっかりお腹いっぱいになっていたはずだったが、試食の誘惑に負け何軒かふらふらした。

イカめしを熱心に見つめていたら、母が買ってくれた。

 

せっかくなら屋上遊園地で遊ぼうと思い、休園日を避けた日を選んだつもりだったがこの日がまさかの休園日だった。

とりあえずみんなに平謝りする。

アトラクションは動かないが、園内に入ることはできるので、休憩スペースで休みながらスナップチャットに興じた。

たくさんのヒゲ写真が誕生した。

f:id:PKyamamoto:20190608015322j:image

 

結局玉屋で3時間ほど遊んだ。

f:id:PKyamamoto:20190608015802j:image

ここ1ヶ月での滞在時間を通算すると、おそらく営業時間中ずっと居た計算になる。

あとはお義母さんと遊びに行けば気分的にフルコンプだ。

 

先日オープンしたばかりで行列ができていたタピオカドリンク店へ。

ベビーカーでスヤスヤ眠る子を脇に、公園で飲んだ。

f:id:PKyamamoto:20190608015726j:image

 

その夜、妹たちは家に泊まりに来た。

ニコ生でヒプマイの番組を観てガヤガヤしたあと、妹1がハマっているストロングゼロをちびちび飲んだ。

早く酔えることだけが魅力の酒だ。

コスパは良いが酒を味わうことからは存分にかけ離れており、若者に人気だというのもわかるのだが、酔いより味を重視するようになったわたしには苦行だった。

アルコールだ。これは業務用アルコールだ。

大量のレモン汁を足したら美味いだろうなと思いつつ飲んだ。

途中で夫が合流して同じものを飲んだ。

そこで、ちゃんと氷を入れて冷やせば少しマシになるということが判明した。

そんなことは御構い無しに、妹1は350ml2缶をグビグビ飲んで早々にへべれけになった。

気がつくと会話の代わりに寝息が聞こえてくるようになった。部屋を見渡す。

空いた缶とつまみの袋、泊まり道具が散乱し、なんだか大学生の宅飲みの成れの果てのようになっていた。

妹たちは、翌日の昼間まで眠りこけた。

そんなゆるい空気にわたしも甘えさせてもらって、仕事に行く夫を見送ったあと、昼までゴロゴロしていた。

 

 

【記事を書かせていただきました】

あの赤いゾウさんのスーパー、エレナの「アノ歌」のひみつを探ってみた | させぼ通信

三ヶ町の路地裏にある『立ち呑み処&猫雑貨屋 旅と猫と』に、猫好き女子でまったりしてきたよ【毎月22日はニャンニャンデー】 | させぼ通信

 

猫にもなれちゃうふしぎなお店、有田町の『工房 FLOWERS』をたずねて | させぼ通信

 

料理との"出会い"が楽しめる、佐世保の穴場スポット♪気まぐれオーナーのこだわりが光る下京町の『ご飯屋ぐーぐー』でランチ | させぼ通信

 

【珍スポット】佐世保の「ゆうれい坂」って知ってる? | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】

f:id:PKyamamoto:20190606101145j:image

百貨店の救世主・北海道物産展にて購入。パッケージが可愛すぎることに今さら気がついた

山ちゃんと蒼井優の結婚を夫に囁いて教えてあげる

わが家は2階建なのだが、そろそろ子の行動範囲を制限するアイテムを設置しなければならなくなった。

身体的な成長はとても嬉しく、日々新しい発見があって面白いのだが、それに比例して子の身に迫る危険の数も多くなる。

至極当たり前のことだが、こうしてあれやこれやと考えるようになるとなおさら実感するものである。

お義母さんと話していたのは、階段の端にバリケードを設置することだった。

はじめ夫が木の板でゲートをDIYしようとしていたのを、もうすこし簡単に出来ないだろうかということだ。

横の移動だけでなく、上下の移動も含めて子の行動範囲は日に日に広がってゆく。

早急にどうにかせねばですなという締めくくりで、その日は終わった。

 

関東に暮らしている妹2が佐世保に帰ってきた。

怒涛の連勤を終え、なんとか有給を勝ち取ってきたのだという。

わたしはその業界にいたことがないのでわからないが、かなり大変なことだっただろうと思う。

帰省が楽しみで2時間も早く空港に着いてしまったというから微笑ましい。

とりあえずこの日は、姉妹揃って母の家にお邪魔することにした。

一応母の日だし、という空気感があったが、なんだかんだお祝いしに行ったはずが結局母の手料理にさんざん舌鼓を打って満腹で帰るというのはお約束である。おもてなしをする立場がいつも逆転してしまうのである。

わたしは子の世話があったため妹たちより遅れて到着したが、ちょうど晩御飯の支度が終わりかけのタイミングだった。

妹2とは久しぶりの再会であるが、普段から三姉妹のグループラインで他愛もない話をゆるゆるとしているため、離れている実感があまり生まれない。

前回帰省したときは、わたしの子の首もまだ座っていないときで、それからするとかなりの久しぶり感があるのだが、大人になってしまうとてんでそういうものがない。

老けたね痩せたね太ったね、というのはあるかもしれないが、そうなるには年単位のブランクが必要だ。

ラインで交わした会話の続きをするかのように、ぬるく言葉を交わす。

そういえば、家にいて身動きが取れないとき、別室にいるお義母さんにラインでメッセージを送り、その後そのまま会話をしたりする。

おしゃべりと活字のコミュニケーションに境界線はないのかもしれない。

今回の母の手料理は、妹2のリクエストだった。

どれも、以前飲食店を経営していた母の現夫さんが母に伝授したレシピだった。

もちろん美味しいからでもあるのだろうが、それを初めて味わったのはきっと、佐世保を離れた母とやっと再会できたぐらいの時期だったはずだ。

現夫さんのこと、母の新しい生活のことを聞きながら、それに重ねるように自分の近況を話していた。

自分の存在を母に刻み込もうと必死になりながら味わった料理で、とても心に残っているメニューなのだろう。

わたしもここしばらくは味わったことがなかったので、とても懐かしかった。

お腹いっぱいになり、女4人であれやこれやと話す。

その合間合間で母が買っている猫・きなこ(メインクーンの血が入っているらしく、とてつもなくでかい)が割り込んできたり妹2を威嚇したり、どでかい図体で2mの棚上にドスンとジャンプしたりした。

 

f:id:PKyamamoto:20190606093453j:image

母が撮ったきなこの写真。猛猫注意レベルである。

 

気がつくと時計の針はすっかり日付をまたいでいた。

「母親がこんな時間までいて大丈夫か」と現夫さんに心配され、こりゃいかんと帰る支度をはじめた。

帰りながら話していたつもりが再び椅子に腰かけてしまい、もう2、3別の話題に移ってしまったぐらいでもう帰ろう、となった。

母の家にくるといつものことである。

 

ほとんど車がいない国道をひた走る。

こんな1人でのドライブも久しぶりだった。

昔読んだ絵本「おしいれのぼうけん」に、主人公の男の子2人が悪者のねずみばあさんの追手から逃げるため、真夜中の高速道路をはだしでひた走るシーンがあった。

とてつもなく絶望的なシーンなのだが、高速道路を照らすオレンジの光や、その後2人を助けにくる愛車(ふだん遊んでいたミニカー)の存在がとてつもなく頼もしく感じるのである。

そうこう思い出しているうちに家に着いたのは夜中の2時だった。

ものすごく眠かったので、でろんとまぶたが勝手に降りてしまったが、4時頃に子の泣き声で目覚めた。

それからなんとなく眠れずTwitterをだらだらと見ていたら、南海キャンディーズの山ちゃんと蒼井優が結婚したというニュースがあったので、寝ている夫に囁いて教えてあげてから寝た。

 

 

 

【記事を書かせていただきました】

あの赤いゾウさんのスーパー、エレナの「アノ歌」のひみつを探ってみた | させぼ通信

三ヶ町の路地裏にある『立ち呑み処&猫雑貨屋 旅と猫と』に、猫好き女子でまったりしてきたよ【毎月22日はニャンニャンデー】 | させぼ通信

 

猫にもなれちゃうふしぎなお店、有田町の『工房 FLOWERS』をたずねて | させぼ通信

 

料理との"出会い"が楽しめる、佐世保の穴場スポット♪気まぐれオーナーのこだわりが光る下京町の『ご飯屋ぐーぐー』でランチ | させぼ通信

 

【珍スポット】佐世保の「ゆうれい坂」って知ってる? | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】

https://www.instagram.com/p/BySuzauJvmC/

母が子のスタイを作ってくれるそうだ。布のチョイスが絶妙。

 

決め手は標識のカラーと生えてる木

夫からおすすめされた、中国人の少女がおばあちゃんと暮らしながら料理を作るだけの動画が大変素晴らしかった。

夜に2人でウイスキーの水割りを飲みながら、はぁ〜とかうわぁ〜とかカァーッとか言いながらたぶん30分ほど観ていた。

youtu.be

夫とわたしはアジア好きである。

極彩色で湿度高めでたくさんの憂き目にあってカオスな感じとか、簡単には表現できないのだが、

夫に至ってはSpotifyで中国、台湾やらカンボジアやらのアーティストの曲を聴きまくっているがどれも名前は知らないといった具合だ。

わたしはもともと中国映画に出てくるような、田舎なんだけど伝統的な様式の家屋とか家具とか食器とかが陰影バリバリで出てきて何なら雨やら雪やらが降ってたりする映像はとてつもなく好きなのだが、この動画はわたしの好みドストライク過ぎて困る。音楽も良いし、少女も可愛い。

出てくる料理は漢字は読めないが、どれも郷土料理だか宮廷料理だかの部類だろう。

食材が食材に見えないほど美しいのである。

中国の歴史が、生活の知恵が、おばあちゃんへの想いが、少女の若さが、キラキラとふんだんにふりかかっているのだ。

 

動画は少女がメインなのであるが、特別美少女というわけでもない。

「きっとこういう子がその辺にいるんだ…!」と思わせてしまうナチュラルさなのである。

彼女はいったいどこで習得してきたのか、人並み外れた料理スキルと生活スキルを駆使して日常をおばあちゃんや犬、ヤギたちと淡々と過ごす。

窯も作るし家具も作るし臼を引いてなんか作ってるし山に出て竹を切ってきて家具を作ったりするし蚕の繭からおばあちゃんの布団とパジャマを作ったりするし、とんでもなく生活能力がチートなのだ。

外国人が日本人=NINJAという現実離れしたイメージを抱くのも分かる気がするほど、山間部に暮らす中国人はみんなこうなのかと思ってしまう。

それと同時に、真摯に暮らしや家族と向き合い、粛々と家事をこなす彼女の丁寧な生き方を見て、わたしも頑張ろうという気持ちになったのである。

到底真似はできないだろうけれども。

そんなわけで、夫からおすすめされたこの動画を毎朝見る習慣がついてしまったという話である。

こうしてわたしが夫に影響されて何かにハマってしまうという事例は非常に多いのだが、悲しいことにわたし発信で夫がハマってくれたことは一度もない。

かろうじて平沢進の曲で酔っ払いながら一緒に踊ってくれたことがあるぐらいだ。ぐぬぬ、である。

 

今日はお出掛けすることを夫に宣言したにもかかわらず、つい文字を打つのが楽しくて家に引きこもっていた。

子と全力で遊んで疲れさせ昼寝に追い込むという作戦は功を奏し、わたしはずっと家事に専念することができた。

ありがたい反面、なんだか申し訳なくも感じた。

記事を仕上げるのにまだ材料が足りないと感じた。

また現地へ行きたいとおもった。

子が起きたのでまた全力で遊んだ。

 

背骨が有り得ないぐらいに硬くなっていたので、オットセイのモノマネをするふりをして背筋をストレッチしまくった。

少しやり過ぎた感があった。

 

子がつかまり立ちをし、頭から全身で倒れるになってから通算何回めだろうか。

極力気をつけてはいるつもりだが、どうしてもキャッチが間に合わなかった場合は、泣きそうな子に向かって「気合いだー!」を繰り返す。

アニマル浜口戦法である。

たいていはノリで笑ってくれるのだが、それでも泣き止まないときはしっかりと抱きかかえてあやしてあげるのだ。

これが飴と鞭ってやつか、ちゃんとやってんじゃんわたし、と自己満足にひたる。

 

夫は帰宅後、ランダムにピンが刺されたグーグルマップの場所を当てるというゲームをしていた。

ポイントを貯めれば徐々にエリアを狭めたり好きに選べたりが出来るらしいのだが、はじめのうちは全世界が対象だ。

しかも出てくる地図というか画像も、だだっ広い荒野だったりスコーンと伸びまくった田舎道だったり、判断材料が乏しいものばかりである。

途方のなさがすさまじい。

わたしも一緒にやろうと言われたが、いまだに世界地図すら覚えていない有様なのでお義母さんを呼ぶことにした。

知識の引き出しがとても多いので、こういうゲームと相性が良いと判断したのである。

案の定、夫とお義母さんは持っている知識をフルに使って画像の場所がどこであるかを推理しだした。

「標識のカラーリングが北欧っぽい」

「この看板の感じは英語圏だけどスペイン寄りね」

「赤土があるとこは暑いんじゃないか」

「針葉樹が広葉樹が」

「このデコラティブな建築はきっとあそこだ」

「太陽の位置から察するに」

などなど、わたしではとても拾い上げられない情報でどんどん候補となる国名を挙げていく。

解答方法は、地図のおおよそこの辺りというところにピンを刺すというやりかたで、近ければ近いほど高得点となる。

そんな2人のやり取りは見ているだけで面白く、わたしはなるほどぉー、なるほどぉー、とひたすら相槌を打ちまくっていた。

夫が買ってきてくれたビールと、カカオ95%のチョコとラム酒で今日もまた良い感じに酔っ払って寝た。

 

 

 

 

【記事を書かせていただきました】

sasebo2.com

 

sasebo2.com

sasebo2.com

 

sasebo2.com

 

 

 

 

【日常あれこれ】

f:id:PKyamamoto:20190604085846j:image

夫めし。

きゅうりのラー油漬けと、ラー油の出がらし(?)を使ったスンドゥブっぽいやつ。美味かったのだがとんでもなく辛くて、次の日お尻が大変なことになった。

インスタレーションがサラリと言えただけだった

平戸防衛戦隊ひらどしマンというローカルヒーローがいた。

f:id:PKyamamoto:20190603010113j:image

彼らは5人いて、それぞれカラーがある。

あごレッド、ごぼうもちグリーン、平戸牛ピンク、鬼ヨウチョウブルー、かまぼこイエローだ。

それに加え、期間限定メンバーのオランダトリコロールがいる。

すごく強そうだ、オランダトリコロール。

「トビウオ☆フライングアタック」など、彼らはそれぞれにその名にちなんだ必殺技を持っている。

しかしなぜか鬼ヨウチョウブルーの必殺技「鬼ヨウチョウ☆ビーム」だけは、ひらどしマン全員が取得しているのだ。

友達の輪ポーズでビームを発するそうなのであるが、なぜブルーだけ固有スキルがないのか。

わたしがブルーだったらいじけてしまいそうである。

そんな裏話はあとから知ったことだが、平戸市の物産館には、このひらどしマンのわりとちゃんとしたキーホルダーがある。

現在は活動を休止しているらしいのだが、実際に動いているところを見たいのでまた復活してほしい。

✳︎

✳︎

✳︎

家族で平戸にいった。

夫には休んでいてもらいたいため、わたしの運転である。

目的はイベント情報 »平戸オランダ商館-イベント情報-平戸オランダ商館 Official Siteだったのだが、見事に会期を勘違いしていて予定がすっからかんになってしまった。

「お義母さん!平戸で面白いインスタレーション展があるらしいですよ!」とドヤ顔で連れ出したにもかかわらずひどい体たらくだ。

インスタレーション」という単語をサラリと言えた自分に内心酔っていたのもあり、申し訳なさに加え恥ずかしさ倍増だ。

今回のわたしの実績は、インスタレーションが言えただけ、となった。

というわけで、超親切な平戸オランダ商館の受付さんにまた来週来ますということを伝え、あたりをテクテク散策することに。

f:id:PKyamamoto:20190603102329j:plain

また来週

f:id:PKyamamoto:20190603102458j:plain

400年前からあるらしいオランダ井戸。深さは8m

f:id:PKyamamoto:20190603102322j:plain

かわいい猫が出入りしていた商店では、おじさんが椅子に座ったまま昼寝をしていた。平戸時間。

なんとなく入った海産物屋さんは、店内で干物を焼いて食べられるうえに、平戸の町とオランダ商館の境界が壁面に残っているお店だった。

f:id:PKyamamoto:20190603102337j:plain

ブラタモリな気分だ

江戸時代のものらしく、めちゃんこ古い。

なんかモダンっすねーという感じで通りすぎてしまいそうなほど店内に溶け込んでいた。

干物は外のデッキでも焼けるということだったので、どやどやと外に出た。

 

f:id:PKyamamoto:20190603102330j:plain

平戸に来てまでBBQ的なことをやっている夫

f:id:PKyamamoto:20190603102324j:plain

足元の板は絶妙なスキマが空いていてぞくぞくした

f:id:PKyamamoto:20190603102336j:plain

干物というか普通にやわらかくてフリフリしていて美味でした。

f:id:PKyamamoto:20190603102341j:plain

アンコウの干物とかあごだしとか

お買い物し、お店のママと、先日ここをロケで訪れたクロちゃんの話をした。

そういえば先週佐世保にも来ていたみたいね、と話をする。
ママのクロちゃんの物まねがとても上手かった。
「パシれ!メロス」平戸編はもうちょいしたら放送されるだろうとのことだ。

アジのみりん干しですっかり食欲スイッチが入ってしまったので、そのまま萬福食堂へ。

お刺身のお代わりが自由ということで、これまた有名なお店だった。

ご飯や味噌汁がお代わり自由というのはいくらでも聞いたことがあるが、おかず(?)というのは聞いたことがない。

定食は松竹梅の3種類があって、お代わり2回までとなっているが最もリーズナブルなのが梅定食だ。

こちらは早くも完売していて、お代わり無制限の竹と松定食が残っていた。

せっかくということで夫は竹定食を、お代わりは無理だろうということで、わたしとお義母さんは海鮮丼をオーダーした。

やろうと思えばこっそり夫の刺身をもらうというズルができそうだが(もちろん店側としては絶対禁止である)、そんなことをする必要性を感じないほど海鮮丼はボリューム満点で、わたしとお義母さんはすっかり満腹になった。

夫はお代わりを3杯まで頑張ったが、「サーモンがツラい」とコメントしたり、後半は塩とレモンで変化を加えるなど、まさにフードファイターと化していた。

 

f:id:PKyamamoto:20190603095712j:plain

グロッキーになりながらももう一回お代わりしようか悩む夫。

 

子にはちょいちょい優しいお味の味噌汁と豆腐を分け与え、場を持たせた。

物産館で野菜などを購入し、江迎方面へ車を走らせた。

 

江迎町に到着すると、夫が丸山醤油を買いに行きたいというので車を停めた。

www.m-agodashi.com

味にうるさい夫含め、周辺のグルメな人々(料理屋のオーナー含む)の舌をうならせる、九州味の絶品醤油を販売しているお店である。

わたしは子と一緒に車内で待機していたのだが、ほどなくして夫とお義母さんが戻ってきた。

店内は不在で、「こちらにTELくれ」と書かれていた通り電話をしたら、店内にあった子機が鳴り響いたというので、仕方なく諦めるに至ったとのことだ。

アクシデントに対しては努めて冷静に対処してきた夫だが、このときばかりは笑うしかなかったという。

 

平戸に向かう途中に見掛けたスイカの路上販売店が気になり、帰り道に立ち寄ることにした。

お店の前後けっこうな距離から数枚にわたる手書きの看板で「スイカ500円~」とアピールしていたため、ものすごい熱気を感じたのだ。

車中から遠目で見かけたときは、スイカが並んだ棚の奥で農家のおじさんとおばさんとおぼしき2人がスマホをいじっていた。

とてもこじんまりとしたようすだったので完全に油断していたのだが、いざ路肩に車を停めて店を訪れると、思っていたよりも屈強なおじさんとおばさんがスイカの試食を持って待ち構えていた。

なんとなく「しまった」と思った。

そんなスイカの試食を手にぽかんとしているわたしを気にせず、夫とお義母さんはもりもりとスピーディーにスイカを平らげながら、目の前にある情報を処理しているようすだった。

おばさんはまるで北斗晶のような図体としゃがれ声で数千円のスイカをおすすめしてきた。

500円のスイカは、と尋ねると、「スッカスカでマズイよこんなもん!」だそうだ。

その事実を看板に書いてあげたいものだ。

結局、大きいものは冷蔵庫に入らないからと押し切ってその場から脱出した。

「とか言ってぇー、この大きいのが500円だったら買うんでしょおおー!?」と後ろから叫ぶ農家というかもはや怖いほうのテキ屋のような2人を背に車に乗り込んで出発した。

わたしたちとは入れ替わりでまた別の来客の車が路肩に停まったので、心の中で「がんばれ、願わくば良い買い物を」とエールを送った。

夫はわたしがまだ手に持ったままのスイカをシャクシャク食べながら「ああいう気まずいシチュエーションですっぱり断るのが好き」と話していた。

その度胸がわたしにもほしい。

 

平戸旅はまた来週につづく。

 

 

 

【記事を書かせていただきました】

sasebo2.com

sasebo2.com

sasebo2.com

sasebo2.com

 

 

【日常あれこれ】

f:id:PKyamamoto:20190603110339j:image

f:id:PKyamamoto:20190603110400j:image

夫めし。

台湾の屋台で食べられそうなエビ棒餃子と野菜の香味あんかけと、ヨーグルトとマヨネーズで適当に作ったシーザードレッシングがけトマト。

腹がとても幸福で、食後は胃がキラキラしていた。

 

わたしと父がこそばゆい声色で会話しているに過ぎない

f:id:PKyamamoto:20190602183049j:image

とあるローソンのオーナーさんとお知り合いなのだが、先日その方がSNS上でわざわざチョコミントの新作を教えてくれた。

そのようすを見ていた夫が、さっそくローソンで新作を買いあさり帰ってきたわけだが、なにやら疲弊している様子である。

あまりにチョコミント商品の数が多すぎて、どうやら限界を迎えそうなのだという。

「負けた気がするからあまり言いたくなかったんだけど」と夫は付け加えた。

チョコミント好きな妻をいかにしてチョコミント嫌いにさせるかという裏テーマも隠されていた夫の試みは、ようやく終わりを迎えそうである。

かくいうわたしも、ブームの波で増え続けるチョコミントたちに対して愛情だけでは済まされない感情を抱きつつあった。

あなたたち、本当にそれでいいの!?と、

ハリウッド映画かなにかの、人間の都合で大量生産された悲しきAIロボットたちと向き合うヒロインのような気持ちになりつつあったのだ。

そんな、互いに抱いたことのない感情をわたしたち夫婦は抱いている。

✳︎

✳︎

✳︎

出生届を佐世保市役所に届けると、記念品として三川内焼の小鉢とスプーンがもらえる。

離乳食にどうぞといった風情で、白くてなめらかなフォルムが美しい。

両手におさまる小さな小鉢は、愛おしさすら感じるほどだ。

さらにスプーンに関しては、芸術品ですらある。

離乳食の味見のときにスプーンを口に含むのだが、ほんとうに口当たりがよくて気持ちがいいのである。

陶工の技術の素晴らしさを再確認する。

しかし、そんな三川内焼の子ども用食器だが、テーブルで子が離乳食を食べるようになってからは使うのが恐ろしくなってしまった。

三川内焼は、カンカンするものじゃない!恐れ多いからやめなさい!」というのがここ最近のトレンドワードだ。

 

父がやってきた。

f:id:PKyamamoto:20190601210821j:image

父は仕事でよく外回りをしているのだが、そのついでに孫の顔を見るため家にやってくる。

今回はフルーツゼリーと玉屋のサンドイッチをお土産に持ってきてくれた。

なぜ、と思ったが、LINEのタイムラインに投稿した玉屋の記事を読んでくれたらしい。

父はコメント欄に、犬が笑っている絵文字を1つだけぽっちりと投下していた。

普段の会話でもよく使っていた、「よろしく」と打ち込むと出てくるコーギー犬のような絵文字である。

一応、読んだよ、という意思表示だということで良いのだろうか。

玉屋のサンドイッチはものすごく強めに冷蔵を催促されたので、そそくさと冷蔵庫に入れた。

 

父が珍しく「コーヒーを飲みたい」と言うので、張り切って豆を挽いて淹れてみたがめちゃくちゃ薄かった。

ごめんと謝ると、父は「うん、うすかね」と言った。

普段口数が少なくどちらかというと怒っていた印象の方が強かった父が、孫を目の前にしてとろけた口調と笑顔になるのはいつ見ても慣れないものだ。

現在の彼女と出会ってからかなり角が丸くなってギモーヴみたいになったものの、ここまで顔をしわくちゃにして無防備に笑う姿ははじめてだ。

「孫ちゃん、大きくなりまちたねぇ〜、じいちゃんよ、覚えとるね〜」と、聞いてるこっちがくすぐったくなるセリフと声色をNO助走で放つ。

こちら側に少しでいいから心の準備をさせてくれ、頼む。

そしてわたしもわたしだが、ワントーン高い声で「覚えてますよ〜、おじいちゃん」と子に動作を加えながらアテレコするのである。

父は「そうねそうね、孫ちゃんに会いたくてまた来たとばい」と返事をするのだ。

間接的ではあるがこれは、わたしと父が、こそばゆい声色で会話しているだけに過ぎない。

子に対峙する人々に対してのパフォーマンスは、母親のフォローも十二分に関わってくるとおもう。

「いま寝起きだから機嫌が悪い」

「眠くてぼーっとしてるね」

という、子のリアクションがイマイチだった時に添える一言はもちろん、

「わー、笑った、嬉しそう!」

といった、子の笑顔の効果を倍にする一言も、たとえ相手の視界に母親が入っていないとしてもとても重要なのだ。

そして、

「遊んでもらってよかったね〜」

「面白いお兄ちゃんだね!」など、私から子に話しかける内容も、考える間をあまりあけずにパッと言えるものでなくてはならない。

そんな早くも、親子二人三脚な状況が生まれているのである。

私は日々、こうしたスキルを磨かねばならないのだ。

本当は黙って見守っていたいけど、そうもできないのが現実だ。

そんな不思議なやり取りをしつつ時間を過ごた。

父が子を抱きかかえ遊んでいると、徐々に子が笑顔を向け始めた。

わたしはそのたびに「よし、よし!」と気づかれないように小さなガッツポーズをした。

父は満足して帰っていった。

わたしは父の愛情をひしと感じながら、急かされて冷蔵庫に入れた玉屋サンドイッチを出して1箱全て1人で食べた。

最後の3枚あたりで絶望的になったが、なんとか奮い立たせ口にねじこんだ。

ややグロッキーになった。

 

そんな胃だったのもあって、夕方までダラリとして過ごしていた。

 

その晩、行きつけの立ち飲み屋「旅と猫と」へ子と夫と3人でゆき、

店主さんのバースデーを祝って居合わせたお客さんたちと子を中心にワイワイ喋って、良い夜を過ごした。

帰りにエレナに立ち寄り、値下げ品の乾きものやらなんやらを買った。

f:id:PKyamamoto:20190603003309j:image

350mlビールを夫と2缶ずつ飲んで、すっかり酔っ払った。

子がつかまり立ちとひっくり返りと寝返りのトリプルコンボでバタバタと動いているのをしばらく見守っていたが、最終的にシャチホコのような姿勢で寝てしまった。

そのあといつの間にか寝てしまっていた。

 

 

 

【記事を書かせていただきました】

あの赤いゾウさんのスーパー、エレナの「アノ歌」のひみつを探ってみた | させぼ通信

 

三ヶ町の路地裏にある『立ち呑み処&猫雑貨屋 旅と猫と』に、猫好き女子でまったりしてきたよ【毎月22日はニャンニャンデー】 | させぼ通信

 

猫にもなれちゃうふしぎなお店、有田町の『工房 FLOWERS』をたずねて | させぼ通信

 

料理との"出会い"が楽しめる、佐世保の穴場スポット♪気まぐれオーナーのこだわりが光る下京町の『ご飯屋ぐーぐー』でランチ | させぼ通信

 

【珍スポット】佐世保の「ゆうれい坂」って知ってる? | させぼ通信

 

 

【日常あれこれ】

https://www.instagram.com/p/ByHSAXTJ4jP/

なんの偶然か、父がラヴィアンローズのサンドイッチを買ってきてくれた。そんなわけでわたしの数日間は玉屋づくし。ラビアンローズ(玉屋サンドイッチ)は、玉屋のグループ会社である栄食品有限会社さんが作ってる。その独特のレシピは門外不出で、一部のひとしか知らないらしい。東京や福岡でも買える。ラビアンローズのひとが独立してロンサンドをやってるという噂。ぐらいしか知らない。成分表示をみて驚いたのは、マヨネーズの甘さはりんごの甘さだったんですかということ。砂糖は食パンとハムに使われていたみたい、という新しい気づきにワクワクしながら1箱全部食べてしまい胃がグロッキー。というわけで、わたしが佐世保玉屋の中の人に取材をした記事ですが、まだまだたくさんの方に読んでいただきたいので是非とも宜しくお願いします。長いので、休日のお供にいかがでしょう。それで屋上遊園地に遊びに行ってみるのもアリですよ。ではでは。#佐世保 #sasebo #佐世保玉屋 #ラビアンローズ #玉屋サンドイッチ