ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

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感動作は出会うべくして出会うもんだ

夜中、夫がネコに肉球でのどぼとけをキュウと押されて咳き込んでいた。

うちのネコはなぜか、あえて苦しいところを狙って可愛い脚をソフトに置いてくる。

そしてクイックに体重をかけてくる。

なのでわたしは、脚をつかんで動けなくしてから胴体を押し倒し、そのまま両腕でホールドして眠るというのをよくやる。

武井壮ばりの攻略法ではあるが、こんなに人間にベッタリでされるがままなネコは居ないだろう。

 

子の前で、体操のお姉さんばりのテンションでストレッチするという技を身につけた。

笑ってご機嫌になってくれるしわたしの体も伸びるしで一石二鳥だ。

しかし軽い有酸素運動になると、後半は声が途切れ途切れになり顔もややひきつる。

子の表情は徐々に真顔になっていった。

 

お義母さんは、Amazonプライム天正遣欧少年使節団のドラマにハマっているようで、「襟元が特にすごいのよ!襟元が!!」と、しきりに衣装の再現度の高さについて感心していた。

ストーリーを熱く語りつつ、ドラマに出てくる西洋人がカタコトの日本語で「セイヨウジンヲ、ナメルナヨ!」と言うセリフを子の前で披露した。

お義母さんは英語が上手なので、カタコトの日本語がうまい。

逆輸入版にもばっちり対応できるのだ。

すなわち、日本人が話す下手な英語のものまねも得意なのだということだ。

そんなお義母さんのハイクオリティなカタコト日本語に対して、子が「アァーッ!ハァーッ!ェアアーーッ!」と興奮し出した。

とても赤子とは思えぬ覇気を感じたので、ひょっとすると東洋人代表で何か物申したかったのかもしれない。

 

夫は今日は半ドンだが、タスクが多くあわただしい。

お正月に、義兄さんと女子高生のマフラーの上側に髪がポコってなる現象のかわいさと、半ドンのドンの正体について話していたのを思い出した。

義姉さんにも尋ねたが、なんと半ドンというワード自体を使ったことがないと言い、中森明菜の歌が上手いから絶対に使っているはずだと一方的なイメージを抱いていただけにショックが大きかったのを覚えている。

そしてそのあとお義兄さんとわたしは同時にインフルエンザにかかってしまった。

きっと半ドンというワードによるものだ。おそろしい、半ドン

 

帰ってきた夫に「ブログちゃんと読んでるから、頑張って」と言われる。

「美味しい」と「頑張れ」は滅多に言わない夫だから、そんなコメントは嬉しい。

ちなみに「美味しい」は、同年代の青年が切り盛りする、とある小料理屋でしか聴いたことがない。

 

お義母さんと夫がそれぞれ家を空けたので、子とお留守番しつつアニメ「BANANA FISH」を最終話まで一気に見終わった。

わたしは子を膝上に抱っこして、ナイフやらマキタのドリルやら出てくるシーンでは子の目をそっと手で覆いながら、音声だけで楽しんでもらうよう心がけた。

やはりわかっちゃいたがラストは号泣した。

正統派、擬似、歪な親子愛。

師弟愛、自己愛、男女愛、ストリートチルドレンの仲間愛。少年二人の固い絆。

麻薬と暴力と陰謀にまみれた世界なのに、なんて愛にあふれているんだー!

心の動きの描き方も緻密で、葛藤や衝突を経て徐々に形が変わっていくそれを寄り添いつつ追ってしまう。

それはただのおばちゃん気質なだけかもしれないが。

小学校のそばに住んでて、児童と仲良くなってたまにからかわれて悪態ついちゃうけどまんざらでもないおばちゃんになった気分である。

ラストは白い、ただ白い世界。あぁ、そこには尊さしかなかった…。

わたしにこの原作を勧めてくれた高校生時代の友人Oに、ありがとうといいたい。

10代で作品を知っていたことにうらやましさしか感じないが、わたしが当時読まずに今この歳で心動かされているのは、とりあえずそういうことなんだろう。

感動作は出会うべくして出会うもんだ。

夫の居ぬ間に、本棚の一部をBANANA FISHの原作で黄色くしてやろうと、ひっそりと企んでいる。

 

夫が職場の歓迎会から帰宅した。

半袖短パンで布団の上に転がっている。

そりゃあちょっと冬にはハードボイルドすぎやしないかと毛布をかけた。

 

 

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PKやまもと | させぼ通信

 

 

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