朝7:00、子のおむつを替えてミルクをあげる時間だ。
この時間は勝手に目がさめる。
もしくは子に起こされている。
むくりと起きて、隣を見ると夫はいなかった。
休みの日ぐらいゆっくり寝ていればいいのにと思うが、生活リズムが体に染み付いているのだろう。
むしろ、平日にできなかったことの諸々を消化するための貴重な時間だ。
そういう意味では、夫婦別々の時間はまったく苦にならないので、わたしも遠慮なく眠る。
結局10:00頃になってから動き出した。
先述したが、夫が休みの日は、休ませてあげたい欲とお出かけしたい欲が半々になる。
この日は、佐世保の若手ミュージシャンが企画した、淡島神社での音楽フェス「あわフェス」に夕方から行く予定だった。
夫には休んでいてほしいなぁ〜と思いつつ、夕方出掛けるなら昼間も出掛けてやろうという謎のエンジンがかかってしまった。
というわけで、有田町へのお出かけを提案した。
佐世保出身のイラストレーター・DateY uichiさんが個展を開いているということで、見に行きたくなったのだ。
天気は暑すぎるほどの快晴。
お出掛けしたくなるのも仕方がないというほどだった。
有田町までの運転ルートを覚えたいというお義母さんをドライバーに、家族みんなで家を出た。
お義母さんが手書きで作ったというマップをみながら助手席でナビをする夫。
ところどころ書かれた、独特のランドマークにリアクションを交えつつ、なんとか目的地までたどり着いた。
有田町に店を構えるこのセレクトショップは、オーナーが厳選した服飾雑貨などが並ぶ。
ナチュラルかつオーガニック要素、洗練されたデザインやちょっとした遊び心が魅力的だ。
なんとなく、ではなく、買い手が強い意志を持って購入したものは、ときにそのもの自体の枠を超えた働きをする。
買い手の生活に彩りや自信を与え、気持ちをワンランク上にしてくれたり、安心やゆとりのあるものにしてくれる。
それはきっと、芸術作品やお守りのようなものにも似ている。
なので、ここにあるものはおいそれと簡単に手が出せるものは少ない。
しかし、見ていて音叉が響くような瞬間があったりすると、おお、と嬉しくなったりする(とても買えないのだが)。
わたしがこのとき気に入ったのは5万円の透かし編みカーディガンだったが、着てみたときの姿を想像するだけで心が弾んだ。
そんな精神的なお買い物を楽しむ場所である。
お目当てのイラストレーターさんの個展を拝見する。
近年精力的に活動をしているかたで、さまざまなテーマでの個展を各地で開いている。
今回は「柑橘系」をテーマに、みかんやレモンなど、見ているだけでさわやかな気持ちになるこの時期ぴったりのイラストを多数手掛けていた。
来客で忙しそうだったがなんとか隙をみて話しかけた。
以前、佐世保での個展開催に関連した記事を書かせてもらった縁もあり、自己紹介もそこそこに会話に夢中になった。
会場写真を撮るのを失念してしまうほどだったが、とても良い時間だった。
購入したポストカード。皮付きみかんが特に最高である。
あまりに長く話し過ぎてしまい、家族に謝りつつお店をあとにする。
その後、なんとなく有田ダムへ。
秘色の湖は今日も輝いていた。
ファミリー写真あるあるなポージングで撮る。
桜道でもなんでもない、よくわからない獣道というところがポイントだ。
のびろのびろ大好きな木、である。
マイセンの森にも立ち寄る。
ドイツ感あふれるヨーロッパな森だった。
そこはかとなく、映画「レヴェナント 蘇えりし者」の世界。
これでもかというほど、クマと闘わにゃならんだろうか。
ハァ、ハァ、ハァ…(ディカプリオ)
帰り道、お腹が空いていたのでマツバヤ有田店に立ち寄る。
店内に入るとヒプノシスマイクの新曲が流れていたので、夫の方を見やるとウンウンと無言で頷いていた。
あとから妹1に報告したら、「きっと事務員のしわざやな!」と返事が来た。
適当なお総菜やらなんやらを買って、車内でもくもくと食べた。
わが家のお出かけは、飲食店などに立ち寄らなくてもスーパーで全く事足りる。
常時それでいいぐらいだ。
あとは安いラーメン屋か牛丼屋、回転すし屋ぐらいで良い。
お腹を満たして再出発し、そのまま帰宅した。
夕方からは淡島神社での音楽フェスだ。
簡単な準備をして出掛ける。
神社へ行くと、駐車場はギリギリ空いている状態だった。
ありがたく停めさせてもらい、子を抱っこ紐に装着し本殿へ向かう。
もうすでにライブは始まっているようで、先日訪れたときとは全く違う賑わった雰囲気に包まれていた。
主催者であり宮司の娘さんである女性シンガーがトップバッターで歌っていた。
夕日がかった本殿前には多くの観客がステージを囲み、隅の方ではたこ焼き屋台がせわしく手元を動かしている。
ちなみに屋台の店主は、先日CDと著書をリリースしたばかりのバンド「ミッドナイトトーキョー」のリーダー・極楽氏だ。
著書の感想を改めて述べ、そのあと夫婦ともに知り合った方々とお話をしながら、しばらくライブ風景を眺めていた。
このような、神社でライブをやるという絵面は福岡で見たことがあった。
なのでとても佐世保とは思えない光景のように感じたが、とても良い時間が流れていたのだけは確かだった。
小さい頃に行った夏祭りのような、温かみのある懐かしさも感じられる。
リズムに乗ってゆらゆらしていると、子がいつの間にか眠っていた。
子の具合もあったので最後まではいられなかったのが残念だったが、行ってよかったと思えた。
わかいひとが頑張っているのを見ると無条件で応援したくなる。
それが佐世保の地ならなおさらなのだ。
【記事を書かせていただいてます】
【日常あれこれ】
夫から教えてもらった。すごくほしいhttps://t.co/1Gpr9JwghR
— chirolpakutiaji (@chirol1660) 2019年4月20日