天才てれびくんを観ているようなものだった
子の伝い歩きのコーナリングがえげつないほど速い。
どんなにお腹がいっぱいであろう状況でも、人が食べているものにとてつもない興味を示し突進してくるのだ。
限りなく近づいたあとに子が取る行動は2つだ。
こちら側の防御を片手で崩し、もう片手を器に突っ込むもしくはひったくる。
もう完全に奪いに行く人間の進化だ。
ゲームでいうところの盗賊へとジョブチェンジを果たしている。
いや、ここまで正攻法で来られては、こちらとしてもなんと卑怯な!とはコメントできないし、むしろいざ尋常に勝負、である。
とにもかくにも子との食事はなかなか気を抜くことが出来ないのである。
ごま粒よりも小さなアリが大量に侵入していた。
白いテーブルの上にうじゃうじゃと歩き回っているのを、ウェットティッシュでじゃかじゃかと拭いていく。
とりあえず片っ端から寄せ集めて、ゴミ箱に投下した。
もちろんこの大量のアリたちは全体のほんの一部にすぎないが、目の前が片付いただけでもスッキリした。
母から頼まれた印刷物を仕上げようかと思ったが、あれこれいじっているうちにすっかり日が暮れてしまった。
ペイントツールや写真編集ツールにからきし弱いわたしは、結局夫の力に頼るほかなく、仕事終わりで疲れている彼に泣く泣くすがりついたのだった。
つい「こういうイマドキなやつは難しい」と思いがちだが、リリースしてからなんだかんだ10年以上経っているんじゃないか。
完全にこちら側の怠慢である。
5秒に一度は挫折感を味わいながら、なんとか形にすることが出来た。
子の頭皮の香りを嗅ぐのが好きだ。
新陳代謝が良すぎるのか、半日で大人で言うところの「2日風呂入ってない状態」になる。
赤子のかわいらしさとは裏腹に、鼻腔を刺激してくる酸っぱい香り。
なんともたまらないギャップなのである。
わたしはいま、子の酸っぱい香りで最大のギャップ萌えを感じているのである。
この夏一番の癒しとなりそうだ。
夏はまだまだこれからだ。
夜は、夫とFNS歌謡祭の宝塚の動画を観て興奮しながら眠りについた。
はじめは、DA PUMPが少し不憫に思えてしまったが、誰かがつぶやいていた「宝塚女優は男性ではなく、男役を演じている」の一言で、
DA PUMPは二次元キャラクターと一緒に踊っているのだと理解出来た。
だから、どちらがどうとかではなく、もともと違う次元だったのだ。
DA PUMPは三次元で、宝塚は二次元なのだ。
天才てれびくんを観ているようなものだ。そういうことだ。
それにしても、宝塚ファンたちの、生い茂る草木のごとくあふれる語彙力には、感嘆のため息が出てしまった。
好きなものを伝えるための言い回しや熱量は、やはりこういうところから学べるものだと感じた。
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