新海誠より今敏が好きだ
雨続きの天気にすっかり気を取られてしまっていたが、いつのまにか夏が終わってしまったようだ。
子と外に出たとき、まとわりつく空気が明らかに変わったので「秋じゃ、秋じゃ!」と飛び跳ねた。
なんとなく、新海誠の映画のようなキラキラっぽさを感じた。
…がしかし、なんだかあまりにも夏が短すぎた気がしたので、少し寂しくなった。
毎年夏は楽しんでいるつもりだが、歳を重ねるにつれ、その濃度がどんどん薄くなっていく気がする。
小さなお祭りですらも世界のすべてであるように感じられた子どもの頃でしか、あの濃厚な夏は味わえないのだろう。
祖父母の家で嗅いだヤニ混じりのエアコンのフィルターの匂いや、お見送りをしてくれる祖父母と車の中から会話するときに感じた蒸し暑い空気などが今でも鮮明に思い出されるほどだ。
わが子にももうすぐ、そんな印象深い夏がやってくる。
その感覚が共有できないのがもどかしいし、うらやましいなとも思う。
できることなら、あの夏をもう一度体験してみたいものだ。
この日から2日間は、佐世保の夏の終わりの風物詩・「アメリカンフェスティバル」が開催されていた。
お義母さんとキャッキャしながら子に昼ごはんを食べさせ、仕事から帰宅した夫にひとやすみを促したあとのんびりと出掛けた。
子は、どうやら抱っこ紐の設定がうまく行ったのか終始ご機嫌なようすだった。
まず、栄町にある立ち飲み屋「旅と猫と」に立ち寄る。
ちょうどお祭りイベントをやっていた。
ふだんは可愛くてオシャレな雰囲気なのに、がっつり提灯で彩られた祭り空間に変貌していた。
オーナーの気合でこちらまでやる気が出た。
すっかり祭りテンションである。
私の鼻はソースの香りをとらえようとヒクヒクしていたし、気持ちは遊びたくてソワソワしていた。
美味しい食事をし会話をしたあと、金魚すくいならぬ「猫すくい」をして帰った。
白とピンク、そしてオマケでゴールドの招き猫をゲットした。
まるで夢のなかのようなできごとだった。
このあたりはとても今敏の映画っぽい。
ぜひとも出演したい。
結局この日は大雨で、アメフェスは断念してしまった。
次の日に行こうと夫と話し、クーシェに行った。
トロピカルなソーダフロートで夏の残りを味わい、夫の友人の赤子とたわむれ、草木ケ原ラーメンに寄ってから帰った。
ラーメン屋では、常連さんとおばちゃん店員との会話を聞きながら豚骨ラーメンを一心にすすった。
夜のラーメンはやはり美味い。
カロリー?なんだそれは。そんなものは、8月31日に置いてきた。
夫は子を片手に抱えながら器用にラーメンを平らげる。
さすがにスープまでは飲み干すのが難しそうだったので、バトンタッチした。
店内には、ドローンで撮影された佐世保各地の写真が飾ってある。
と同時に、佐世保出身の歌手・平浩二さんのポスターや、「豚骨スープからのコラーゲン摂取は認められます」とタイトルのついた新聞記事の切り抜きまで、とてもバラエティに富んでいた。
今でも残っているのかわからない、タクシー会社の電話番号が載った古ぼけたリストが良かった。
今これを見て電話をかける人がどれぐらいいるのだろうか。
インターネットで番号を調べるより数倍早いだろうけど、きっと手癖で調べてしまうんだろうなぁと思った。
店を出たあとふたたびクーシェに戻り、ちょうど帰るために店を出た夫の友人の奥さんと途中まで一緒に帰った。
今の今まで連れ立って一緒に飲んでいたかのような別れかたをしたので、いい夜だったなぁとホクホクしながら家に帰って寝た。
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