子にいつも顔を踏まれている
朝7時に起きて、夜20時には猛烈な眠気がきて日付が変わる前に眠る、という生活をわりと長く続けている。
1歳を過ぎた子は、よりエネルギッシュさを増し、我々よりも活発に動き回っている。
わたしは楽な体制でいたいのでごろんと横になるが、子はお構いなしに柔らかい足でわたしの顔面を踏んづけてくる。
顔面はヤダ、と思い優しく子の足を押しのけようとすると、髪の毛の根元に引っかかりそのまま地面に着地した。
耳元でブチブチとわたしの毛が臨終になる音を聴いた。
その後バランスを崩し、結果わたしの顔面に子のひざが降りおろされることになるのである。
そんな夜をいつも過ごしている。
従兄弟の結婚式で家族総出で名古屋へ向かった。
まだ飛行機に子を乗せるのが怖かったので、夫に無理を言って休暇を取ってもらい、面倒を見てもらうことにした。
お義母さん共々、子のお世話をしていただいて有難い。
1泊2日、小さなDバッグ1つで荷物を準備した。
子が居ない久しぶりの遠出、かなり身も心も軽かったが寂しさもあった。
母と妹1と他愛もないおしゃべりをしながら長崎空港へと車を走らせる。
空港は平日にも関わらず人が多くて、旅行気分をさらに盛り上げてくれた。
空港内のセブンイレブンでサクッと朝食を買い、颯爽と飛行機に乗り込む。
3人がけシートの窓側に座る。
やったぁ景色が見える、と思うが、楽しむのはたいてい15分程度だ。
ANAの機内では、搭乗の際の注意事項の映像が流れていた。
出演者が全員歌舞伎俳優で、それはもう所作が美しかった。
朝食用に買った2つのおにぎりが、どちらもマヨネーズ系だったのでガッカリした。なぜ気がつかなかったんだ。
1時間半ほどでサクッと名古屋国際空港に着いた。
ほんと文明すげぇなと思った。
空港に降り立ち、荷物を受け取りに。
ここはやはり地元アピールゾーンになっているようだ。
遠慮がちに、荷物が流れるレーン沿いに生産量日本一だという招き猫がパラパラと置いてある。
なぜか、レンズが曇っていた。
妹2と落ち合う。
「わからなくなるからあまりウロウロするな」と釘を刺される。
ウロ、としかけたが、もときた到着口の前に戻って3人でおとなしく固まっていた。
妹2がこちらにやってくる前に、ヨッピーさんの記事を読む。
名古屋観光にありがちな、行くところなんもない問題を解決した | SPOT
名古屋なにもなさすぎて、とうとう三重県の話題が出てきたのでどうしたものかと思ったそのとき、ちょうど妹2がやってきた。
彼女はいま九州を離れこっち方面に住んでいる。
ここから電車で30分程度の場所かと思いきや、羽田空港経由で1時間ほどかけて到着したらしい。
本当にわたしは、この辺の土地感がまったくない。
とりあえずどこかでご飯、ということになったが、土地感ゼロ事前リサーチゼロの我々は吸い込まれるように高島屋へと導かれた。
とりあえず人の流れに流された形である。
バカでかいビルには小さく赤い文字で「takashimaya」と書かれている。
そうか、これがあの玉屋の紙袋と同じ紙袋の高島屋か!!と1人で小さく感動した。
とにもかくにも最上階のレストランフロアへ向かったが、平日なのにどこも激混みだった。
味噌カツ、味噌煮込みうどん、きしめん…せっかくだから鉄板の名古屋グルメを味わいたいという思いが裏目に出た。
思うにいま目の前に並んでいるのはわれわれと同じ観光客だ。
身なりとか雰囲気とか。われわれ含め単純なやつらだ!
こういう場合、夫ならサクッと地元民が行く穴場店を探し当てたりするのだが、わたしにそんなスキルはなく、
Googleに「味噌カツ」と検索ワードを入れたところでこういうショッピングエリアの店かチェーン店しか出てこないのだった。
結局、若干空いていた味噌カツ屋に入った。
すこぶる美味だったが、ボリュームがすさまじく夜の叔父たちとの会食が心配になった。
その後もまたウロウロして、ホテルにチェックインして同室の母とおしゃべりした。
部屋にあった、写真集かカタログかわからないおしゃれな本。
その後、作成中の記事原稿をフロントのFAXで先方に流したりした。
ものすごく仕事をしているひとみたいだった。
1枚あたり110円でコンビニの2倍かよと思ったが、確実に届いてくれるならそれも良しとお願いした。
妹2から台湾土産をもらったりしつつのんびりしているあいだに、叔父たちとの会食の時間が迫っていた。
場所はなんと、高島屋でわれわれが昼食を取った店の隣だった。
雨降る夜の名古屋。ブレた。
【記事を書きました】
★デイリーポータルZ「自由ポータルZ」で入選しました。めちゃくちゃ嬉しいです。
明治から昭和初期を生きた「三角コレクター」徳田真寿について書く - ヤマモトチヒロのブログ
★デイリーポータルZ「自由ポータルZ」もう一息でした。めちゃくちゃ嬉しいです。佐世保にお立ち寄りの際はぜひ佐世保玉屋へ!
★佐世保市のローカルメディア「させぼ通信」で書かせていただきました。
あの赤いゾウさんのスーパー、エレナの「アノ歌」のひみつを探ってみた | させぼ通信
★三ヶ町の路地裏にある『立ち呑み処&猫雑貨屋 旅と猫と』に、猫好き女子でまったりしてきたよ【毎月22日はニャンニャンデー】 | させぼ通信
★【一時閉店中】猫にもなれちゃうふしぎなお店、有田町の『工房 FLOWERS』をたずねて | させぼ通信
★料理との"出会い"が楽しめる、佐世保の穴場スポット♪気まぐれオーナーのこだわりが光る下京町の『ご飯屋ぐーぐー』でランチ | させぼ通信
★【珍スポット】佐世保の「ゆうれい坂」って知ってる? | させぼ通信