バレンタインデーということで、佐世保玉屋のバレンタイン王国に子と行ってきた。
今日で最終日だったが、駆け込みのお客さんでゆる〜く賑わっていた。
お菓子メーカーの陰謀と言われて半世紀ぐらい経ってるんじゃなかろうかと思うが、単にチョコ好きなのでバレンタインデーは毎年嬉しい。
自分へのご褒美にと意気込むが、結局試食だったり、その辺の駄菓子チョコで満足してしまうのがほとんどだ。
今年は前者だった。
「どうぞ、世界を食べ歩いてってください!」と店員のおばさんから声を掛けられ、試食できるブランドをざっと見てみたが全部ベルギーだった。
すべてをパクパク食べてみたがどれも美味しかった。
そういえばあまりスイーツを食べない夫が「チョコやケーキに対して美味しいという感想は、自分にはよくわからない。甘い、だけで良いのでは」と話していた。
確かに、砂糖単体に対してうまみはない、と思う。
美味しいと思う部分は、例えばカカオの香りや風味が自分好みの甘みと合っていてそれでいてミルクのコクが…といったように、あくまで複合的なものである。甘い=うまいは別であると思うので、わたしも他に言い方はあるんじゃないかと思うが、それが一番相手に伝えるのに手っ取り早いから仕方がない。
母と妹へチョコを購入する。
子は、抱っこひもの位置がちょうど良かったのか、ぐずらずにスヤスヤと眠っている。
佐世保玉屋のこのイベントは、別に目当てのブランドがあるわけでもなく、ただ思い出を味わいたくて毎年行っているようなものだ。
各フロアを味わいたいので、エレベーターではなくエスカレーターを使う。
年季の入った木の床、天井が低い感じ、階段の踊り場、屋上遊園地…どれを取っても良い。
おまけにバレンタイン王国は、幼少の頃からお世話になっていた(気がする)。
思い出補正がバンバンはたらくので、懐かしくなりたいがために行っていると言っても良い。
いつまでここがあるのかは分からないが、子が物事がわかるようになるまであり続けて欲しいものだ。
親和銀行本店をうっとり眺めながら車に乗り込む。
家に帰り、お義母さんとお土産に買ってきたアップルシナモンパンでお茶をした。
玉屋の高級ベーカリーで買ったもので、さっくりとしたシナモンシュガーの層とレーズンを抱き込んだふんわりとした中の生地が見事にマッチングした、気の利くお嬢さんのようなお味だった。
お義母さんと、昔から食べたというお菓子の話で盛り上がる。
エンゼルパイをボロボロこぼさず食べるため四苦八苦した話、バニラアイスにマリークッキーを砕いて入れて豪華版にした話、ラミーチョコが好物だった子がのちに大酒飲みになる話、小枝が発売したての頃、ミニスカを日本で流行らせたイギリスの女優・ツィッギーがCMに出ていた(菓子のネーミングは、小枝のような細い脚をしていた彼女からヒントを得たものらしい)話など。
お菓子はいつの世でもストーリーを与えてくれるものだ。
子が大きくなったとき、どんなお菓子に出会って刺激を受けるのか楽しみである。
なにかをわたすシチュエーションだけでも味わいたくて、夫に普段食べないであろうチョコを買っておいた。
夫が帰宅後、後ろ手に隠していたチョコを「せっ、先輩…これ!!!」とわたす。
顔は伏せる。赤くなっているのを見られたくないからだ、という設定だ。
夫は「ま、マジか…。ほんと悪いなぁ。俺、甘いものは食べないとあれほど…。甲斐性なくてマジでごめん」と真剣に謝られてしまった。
【記事を書かせていただいてます】
【日常あれこれ】
やっぱ親和銀行本店良い…。見学ツアーなくなったのが残念。 pic.twitter.com/PIUTwz3uZy
— chirolpakutiaji (@chirol1660) 2019年2月14日