ヤマモトチヒロのブログ

佐世保在住フリーライターです。育児日記に混じって、地元佐世保の歴史や文化、老舗や人物について取材撮影執筆した記事を掲載しています。

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駐車料金で小遣い稼ぎがしたい

花を愛でる趣味はないんだけど、お花見の空気感は好きだ。

なので漠然とだが、子と佐世保市近郊のお花見スポットをとことん巡ってやると決めた。

撮影機材と子のお世話グッズが入ったバッグ、ベビーカーを積み込み、意気揚々と出発する。

午前中早い時間に出る予定だったが、探し物に手間取ってしまい出遅れた。

ひとまずお昼ご飯を食べて、波佐見町田の頭郷のしだれ桜を観に行く。

町民の方の私物で、善意で公開しているとのことだったが、グーグルナビに出てきたので驚いた。

しっかりと観光名所化しているようである。

現地にたどり着くと、駐車場の案内看板が出てきた。

どうやら200円かかるらしい。

わたしもこんな感じで収入を得られる生活がしたい。

「駐車場から出たら誘導員がおりますんで、案内に従ってください」

といわれたので誘導員のおじいちゃんに挨拶をすると、

「かわいか赤ちゃんねー!わたしも孫のおってですね…」

と会話が始まり、5分ぐらい立ち話をしていた。

その後別れて、道脇にあったしだれ桜を目指してベビーカーを押していったが、ただの会社の敷地内に咲いている桜で、お目当てのものでは全然なかった。

しだれ桜は真逆の方向だった。

ものすごく恥ずかしくなり、「方向違うって言ってくれよォォ!」と誘導員のおじいちゃんにうらめしの念を送った。

さくらはわりと急勾配な坂道の上にあった。

満開のタイミングはやや過ぎていたようだが、それでも客足は多く桜もまだそよそよと美しい色をなびかせていた。

桜を取り囲むように手作りのベンチがしつらえてあり、来場者の善意からなる募金箱や感想ノートも置いてある。

スマホやカメラを手に記念撮影に興じるひとたちのなかで、怪しい棒を手にシータで撮影をするわたし。

子は桜よりもわたしの方を見てケタケタ笑っていた。

「そんなに早い時期から、お花見なんて素敵ね」と色んな方々に声をかけていただいた。

子も笑顔で返す。

よしよし。たくさん笑って差し上げるんだ。

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あまり子と歳の変わらないベイビーを抱えたお母さんから話しかけられた。

「成長はあっという間ですよね〜」とか話していた気がする。

子はかすがい、とはよく言ったもので、コミュニケーションのカテゴリーにしてもいいくらいだ。

帰りはベビーカーをしっかり握りしめながら、おそるおそる坂を下った。

これは車椅子での来場はかなり厳しいだろう。

坂の下ではお団子が売ってあった。

やはり花見の定番といえば団子だ。

完全にイメージだが。

そんなお約束な絵面に憧れるものの、いまだにアンコが苦手な自分がなんだか惜しい人間のように感じた。

 

次に向かった先は展海峰だ。

まったくの真逆スポットで、のちのち、経路設計の必要性を強く知ることになる。

菜の花は現在は満開に近いようす。

春休み時期も重なって、卒業旅行中らしき大学生や高齢者施設からお散歩に見えた方々まで幅広い年齢層のひとたちでいっぱいだった。

お花見スポットを撮影するときは、やはり人の多さも絵になる。

こうしたガヤガヤとした雰囲気はわりと好きだ。

子はベビーカーですやすや眠っていたが、起きるや否やみゃーみゃー泣き出した。

あやすのも込めてベビーカーを押しながらウロウロしているうちに、にぱと笑顔が戻ったので記念撮影をした。

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今回は早い時間に行ったので、念願の直売所兼カフェ「ツッテホッテ」に行く。

俵ヶ浦で採れた新鮮野菜や魚介を使ったオリジナルメニューが味わえるほか、地元生産者自慢の逸品が並ぶ販売コーナーもある。

カフェで少し食事をと思ったら、観光客でいっぱいだったうえ人気メニューの俵コロッケが売切だった。

まだ食べたことはないのだが、ライスコロッケでこれまた地元に関連した具材や味付けを使用している。

仕方ないので80円でクレソンを購入して、外で売っていた150円のチリンチリンアイスを買って子に見せびらかしながら食べた。

アイスはピンク、イエロー、グリーンの三色に進化していた。

しかしアイスを売るひとはいつの時代も人相がややいかつい。

おじちゃんでもおばちゃんでも、どこか影があるように感じるのはわたしだけだろうか。

 

お腹も眼も満たされて、帰りたい気持ちでいっぱいだったが、最後のミッションとして図書館に寄らねばいけなかった。

借りていた絵本の返却期限がこの日だったのだ。

「いい加減帰りましょうよ母」と視線を送る子を連れて図書館へ車を走らせる。

ベビーカーを出すのも億劫だったので、抱っこ紐で館内をうろつく。

結論としては、絵本を借りるならベビーカーが良い。楽さが断然違う。

7kgの子を抱いたまましゃがんだり立ったり、絵本がどっさり入ったカゴをぶら下げるのはもはや苦行でしかなかった。

子も居心地の悪さを感じ泣き出す始末である。

あわてて絵本14冊を手にカウンターに駆け込んで、手続きが終わるとすぐにダッシュでその場を後にした。

 

「よっしゃー!一日おつかれー!家に帰るぞー!」と子と自分に言い聞かせ、最後の力を振り絞って帰宅した。

家を出たのが10:00で帰宅は18:00。

おそらく6時間は運転していた。

計画性の無さと経路設計のずさんさを心から嘆いた。

お義母さんお手製のトマトシチューをいただきながら、この日あったことを話す。

この日は夫から車を借りていたので、仕事終わりに連絡が来たタイミングで迎えに行く予定だったが、連絡を見落としておりあわてて家を出た。

ちなみにこのタイミングで、再び本州に戻る夫の友人女性とその子に会いに行くつもりでもあった。

車を運転しつつ、アクセルを踏む感触がなんかやわらかいと思ったら、赤いサンダルを履いたままだった。

サザエさんか、と思った。

 

なんとか夫と合流し、帰り道で夫の友人女性ファミリーとも会うことができた。

次は子ども同士がしゃべってるかもね、などと話しながら、ほんわかした時間を過ごした。

1歳年上のボーイの手を握るわが子。

親のエゴで、撮影用にもう一回握らせた。

子とのやりとりのなか、友人女性の母親があまりに若くて綺麗だったので、思わず食いついてしまった。

幼女も中性的なイケメンも好きだが美人にも弱い。

これもまた花見じゃ、ご尊顔を思い出しながらうまい酒を飲んでやろうと思った。

みんなわたしのサンダルのことに気付いていないようだったので安心していたが、最後の最後で気付かれた。

お互いに再会を誓って、家路に向かう。

空腹でスシローに行きたがる夫をなんとか車に連れて行き、脇目も振らずに帰宅した。

夫婦揃ってなんだかぐったりだった。

のび太並みに寝つきのいい夫は、さらなる良質さを求め、屍のポーズでの睡眠を試みていた。

その身体の上には猫がずっしりと乗っていたので、おそらくポーズは成り立っていなかった。

その晩は家族揃ってぐっすりと眠った。

コストコの売り場で、ドラァグクィーンに転身した知り合いのお坊さんと出会い驚くという夢を見てちょっと目が覚めた。

 

 

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PKやまもと | させぼ通信

 

 

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