30年は二文字で
朝からミーティングに行く。
次々と飛び出してくるアイデアにニヤニヤしながら、もっと発想力と経験がほしい、とおもった。
帰りは五番街へ寄ろうか、と思っていたら、ミーティング参加者の人から「方向こっちですか」と聞かれたので、「はい、子のおむつ買おうかなと」と答えた。
すごく所帯じみた返事をしてしまったなぁとおもった。
立ち寄ったベビザらスは、ゴールデンウィーク中のファミリーたちであふれかえっていた。
そんななか、颯爽とおむつ売り場へ直行し、目当てのものを手に取る。
そういえば先日、臨月だった友人が無事に出産を終えたのだった。
お祝いの品をなにかひとつ。
いまはまだ入院中なので、彼女が実家に戻ったタイミングで渡しに行こう。
出産直後って、なにをもらったら嬉しかったっけ、と自分の記憶を辿ってみたが、つい半年前のことなのにぼんやりと薄れてしまっていることに愕然とした。
そんなもんなのか。
当時はあんなにヒロイックにヒィヒィ言っていたのに。
世界一頑張ったわワタシと思っていたのに。
そうやって女性は、産後の苦労を忘れて次の子を授かる身体になっているんだな。
これを神秘と言わず何と言おうか。
あえて便利だとは言わないけども。
店内をうろうろしつつ、なんとかお祝いにぴったりな品物を購入する。
ついでにわが子の離乳食もカゴに入れる。
買い物が、目的を持って達成されていくと、順調に1日が進んでいる気がする。
これがお買い物セラピーか…と漠然と感じた。
お会計をし、駐車券の割引処理をしてもらったので駐車料金が安く済んだ。
精算機に貼られていたお知らせ書きに目を通すと、どうやら今後駐車料金の改定があるらしい。
えー…と若干残念だったが、よく今まで安く停めさせてくれて有難かったなぁと感謝の気持ちが湧いてきた。
これも平成最後の効果だろうか。
先日だっただろうか、寝る前に夫から波田陽区の楽曲を聴かされたせいで、ことあるごとに「言うじゃなぁい」がループしていた。
現在ではすっかり、裏の笑いを提供してくれるようになった波田陽区氏による、一種の呪いのようだ。
駐車料金があがる前にそそくさと帰宅。
お昼ご飯を食べていないのがわたしだけだったので、適当に袋ラーメンで油そばを作って食べる。
人気ブロガー・はらぺこグリズリー氏のレシピだ。
ラーメンスープ1/2、醤油とごま油小さじ1だけで作れるお手軽さで、卵の黄身と白ごま、ブラックペッパーをトッピングすれば完成だ。
もともと夫と一緒に食べようと思って購入したカムジャ麺を1袋だけ使って試してみたところべらぼうに美味しかったので、ついつい家の在庫をすべて使い切ってしまった。
すまん、でも美味い、と心の中で夫に謝った。
平成最後の晩餐は、夫手作りのローストビーフだった。
ほどよいやわらかさの赤みと新たまねぎの爽やかさ、和風ソースがたまらない。
幸せすぎてアホみたいにんはは、ほへほへ、しか言えなかった。
テレビをつければ令和カウントダウンに向けての特番がジャンジャン流れている。
夫の好きなタモリと伊集院光が出演している番組をひたすら観ていた。
日本三大盆踊りに数えられる郡上おどりだ。
この行事は、たしか夜通しでやるのはお盆シーズンだけだったか。
益田ミリさんのプチ旅行本で見たことがあった。
一度でいいから踊りでトランス状態になり、汗だくのクタクタになってみたいものである。
美智子さまの再現ドラマを家族でわいわい言いながら鑑賞した。
ドラマ中に出てきたスポンサー企業の表示が上から明治→大正→昭和→平成の順になっていたのがツイッターでバズっていた。
世は年越しムードだ。
心の中では、ハウステンボスが花火を上げるに違いないと勝手に思い込んでいた。
30年間続いた平成。
昭和から平成に変わったとき、わたしは3歳だった。
全く当時の記憶がない。
なので、「今回は前と違ってお祝いムードだよね」という感覚もわからない。
しかし元号が変わるのはこういうものだと、この年齢ながらインプットされてしまった。
令和こそはやってやるぜ、という意気込みもないし、国に対する期待もこれまでと変わらないけれども、
わたしの人生のほとんどを占める平成が終わってしまったのかと考えると、なんだか感慨深い。
飛び上がりそうなほど嬉しかったことや怒り狂ったこと、死ぬほど悲しかったことや、なんなら半年前の身体が自分のものでなくなるような出産体験までがぜんぶ平成でくくられるのかと思うと、もう少し記念めいたことをしとけば良かったなという気がしなくもないが、これまで通り粛々と過ごすのみである。
しかしなにも構えないのもあんまりなので、家族や友人、仲間にちゃんと礼を尽くそうと、心の隅でピッと居住まいを正した。
【記事を書かせていただいてます】
【日常あれこれ】
平成最後の晩餐ローストビーフでござる!!!!#平成最後の日 #佐世保 #ローストビーフ