子と地べたとワンダージャパン
子にあわせた地べた暮らしが始まって1ヶ月近くが経とうとしていた。
子が暴走したときに回収に向かったり、後追い対策として子がおもちゃに引きつけられている間に忍者のように素早く用事を済ませたり、キッズマットの柔らかさを利用してあれやこれやと運動を取り入れた結果、デスクワークをしていた時よりも動けているような気がした。
やればできるものである。
しかし、そんなわたしの成長を横目で見ているかのように、子は動きのバリエーションを増やしていった。
最近はだまし寝が多い。
指をしゃぶりながらもう片方の手で目をこすり、眠りに落ちたポージングをするのだが、実は薄目を開けてこちらを見ている。
わたしがここぞとばかりにデスクの方に動き出すと、ガバッと起きてニッコリ笑うのだ。
引っかかったな、と言わんばかりだ。
そんなことを繰り返しているうちに、すっかり晩御飯の時間になってしまうのだ。
おかげで夜の寝つきは良いものの、これではわたしの時間がほぼほぼ取れない。
というわけでやはり地べた暮らしに戻るのだ。
子が寝付くまで、そばで雑誌を読んでいた。
ワンダージャパンの北海道の回だ。
一度も行ったことはないのだけど、仏教テーマパーク跡地や炭鉱跡など、とても萌える建物が多いことがわかったので行きたくなった。
新・最遊記のロケ地にもなった天華園なんて素晴らしすぎるの一言だ。
また、この回では早稲田のガウディこと梵寿鋼氏の建築についてもふれられており、奇抜なモザイクアートのような佇まいに惚れ惚れとしながらページをめくった。
しかしこの雑誌、発行年が2007年である。
掲載されていたスポットが現存している可能性はかなり低い。
1996年あたりから熱を帯びてきたB級スポットや廃墟めぐりといったジャンルは、やっと落ち着きを見せてきたかのように見える。
しかし先日、旧西海楽園跡地を訪れた際に感じたワクワク感は、やはりまだ過ぎ去ったブームにはなっていないのだなということを実感させられた。
ワンダージャパンに書いてあった文章でなるほどと思ったものがあるだが、廃墟は、過去と現在のコントラストが濃く違和感があるほど魅力的なのだという。
かつては多くの従業員で活気に満ち溢れ、数々の生産物を生み出してきた工場が、生々しい跡を残しつつ静寂に包まれる。
本来共存し得ないものが同じ空間にある。
日常的だったものが非日常的なものに変わる。
といったことが書かれてあって、とても的確だなぁと感じた次第だ。
今日のお昼は、昨晩自分で作った料理の残りをタッパーのままでガツガツ食べた。
そのあとお義母さんが、つくってくれたアップルパイをわざわざお皿に盛り付けて出してくれた。
わたしはしまった、と思った。
子の前でタッパーに入ったままの飯をかっ食らう母親は、お世辞にも良い影響は与えないだろう。
と頭の中で考えたのち、お義母さんに「ですよね!やっぱそうですよね!」と返した。
子がやっと眠ったので、あれこれ仕上げて掃除した。
やはりなんだかんだで、こうした時間制限や縛りがないとわたしは動けないのかもしれない。
子の入浴スタイルを湯船からシャワーへ変えてみた。
これまでわたしの手で湯浴みをしていたのだが、シャワーのほうが手っ取り早いしそろそろ慣れてもらわんばだろうということだ。
案の定、かなり嫌がられて号泣されてしまった。
その度に、笑顔でシャワーを浴びまくって大丈夫だということをアピールしたが結局服を着せるまで泣き続け、「母の裏切り者め」と言わんばかりの恨めしい表情をこちらに向けてきた。
そんな感情の表し方にも成長を感じたわけだが、予定していたミルクを飲ませるより前に寝られてしまったので、一本取られたぜ、と思った。
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